先端部材への応用に向けた最新粉体プロセス技術

先端部材への応用に向けた最新粉体プロセス技術

Novel Powder Processing Techniques for Innovative Materials and Devices

  • 各種粉体の材料別・作製手法別に粉体の作製・加工技術を紹介!
  • 摩擦攪拌や立体成形・焼結など、様々な粉体プロセス技術を詳述!
  • 電子機器や電池用部材から複合材料まで、大学や企業の応用研究事例など、最新の研究・開発動向をコンパクトにまとめた関係者必携の一冊!
価格 74,000円+税 監修 内藤牧男
出版社 シーエムシー出版    
発行日 2017年03月27日 体裁 B5判、237ページ
ISBNコード 978-4-7813-1241-5 商品コード T1043

発刊にあたって

近年のものづくり技術の発展は目覚しく、まさに第四次産業革命期にあると言ってもよいだろう。あらゆる情報をネットでつなぐIoTの発展を基礎として、顧客の要求にマッチした製品を必要なときに必要な量だけ迅速に供給する生産技術の確立が3Dプリンターなどの発展によって現実のものとなっている。これをAIやロボット技術、センサー技術などが支え、極限まで合理化した体制で高品質な製品を提供するのが、今後のものづくりの常識になるものと思われる。

これらのものづくりには、固体微粒子の集合体である粉体が、様々な形態で使用される。実際に粉体は、現在でもほぼあらゆる産業において、出発原料、微粒子分散液・造粒体・成形体などの中間品、さらには製品として幅広く利用されている。その理由は、粉体が材料として扱う上で極めて高い優位性を持つためである。粒子をナノサイズ化することで通常の固体には見られない付加価値の高い特性を発現することや、固体でありながら適度な力を作用させることで気体・液体・固体のように自在に振舞うこと、さらには粉体単位質量当たりの表面積(比表面積)が膨大であることなど、粉体は材料として使用する上で高い優位性を持つ。しかし、固体微粒子が無限に近い個数で集合した形態である粉体を自在にハンドリングするためには、理論的には無限のパラメータが必要である。したがって、これを工学的に巧みに使いこなすためには、近年開発された最先端の粉体技術を学び、また粉体を用いて最先端の材料開発を実施した事例などを直接学ぶのが、最も近道であると思われる。

そこで本書は、材料開発を進めている企業の研究者、技術者、また、最先端の製造技術を導入しようとしている生産技術者らを対象として、粉体を自在に使いこなすための最新の情報を提供することを目的とした。本書は三部構成から成る。第1編では、粉体材料を設計するために必要な基礎知識と粉体の作製方法について簡潔にまとめた。第2編では、粉体材料を加工して目的とするデバイスを作製するための最新のプロセスについて取り纏めた。そして第3編では、最新の粉体技術を用いて次世代用途に向けた材料開発を進めた事例を取り纏めた。以上、本書は最新の粉体材料技術についてコンパクトにまとめてあるので、企業の開発現場、製造現場で迅速かつ有効に役立つものと期待している。

キーワード

粉体/無機/複合材料/金属/合金/軽金属/セラミックス/粉砕/ビルドアップ/プロセス/焼結/摩擦攪拌/フィラー/3Dプリンタ/表面改質/MEMS/積層造形/電子機器/基板/感光性レジスト/LTCC/AlN/放熱/電池/電極材/正極活物質/CNF/軽量

著者一覧

内藤牧男
大阪大学
勝山茂
大阪大学
堀田裕司
(国研)産業技術総合研究所
横井敦史
豊橋技術科学大学
武藤浩行
豊橋技術科学大学
加納純也
東北大学
野村俊之
大阪府立大学
佐々木元
広島大学
柳沢平
広島大学
松木一弘
広島大学
津守不二夫
九州大学
京極秀樹
近畿大学
清水透
(国研)産業技術総合研究所
木元慶久
(地独)大阪市立工業研究所
藤井達生
岡山大学
金近幸博
㈱トクヤマ
高藤美泉
日本大学
齊藤健
日本大学
内木場文男
日本大学
田中秀治
東北大学
井上義之
ホソカワミクロン㈱
荻原隆
大研化学製造販売㈱
仙波健
(地独)京都市産業技術研究所
川森重弘
玉川大学

目次

【第1編 粉体の材料・理論と作製】
第1章 粉体材料

  • 1 金属粉体
  • 1.1 金属の特徴
  • 1.2 金属粉体の製造方法
  • 1.3 金属ナノ粉体粒子の性質
  • 1.4 金属ナノ粉体粒子の応用
  • 1.4.1 電子、バイオ・医療への応用
  • 1.4.2 熱電変換材料への応用
  • 2 セラミックス粉体
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 粉体の製造方法
  • 2.2.1 気相法
  • 2.2.2 液相法
  • 2.2.3 固相法
  • 2.2.4 球状粉体に対する分散・解砕法
  • 2.2.5 積層した板状粉体に対する分散・解砕法
  • 2.3 まとめ
  • 3 複合粒子
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 ナノ物質の複合化
  • 3.2.1 ナノ物質による材料設計コンセプト
  • 3.2.2 静電吸着複合法を用いた複合粒子設計
  • 3.2.3 静電吸着複合法のメリット
  • 3.2.4 静電吸着複合法の応用展開:エアロゾルデポジション法
  • 3.3 集積複合粒子の量産技術
  • 3.4 おわりに

第2章 粉体作製

  • 1 粉砕技術の基礎
  • 1.1 粉砕法(Break down法)
  • 1.1.1 粉砕機構
  • 1.1.2 単粒子破砕と強度
  • 1.1.3 粉砕エネルギーと粉砕速度論
  • 1.1.4 粉砕の雰囲気
  • 1.1.5 摩耗現象
  • 1.1.6 粉砕装置
  • 1.1.7 ボールミルシミュレーション
  • 1.1.8 粉砕の物理化学
  • 2 ビルドアップ法による粉体作製の基礎
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 液相法
  • 2.2.1 均一核生成モデル
  • 2.2.2 シード粒子存在下における核生成モデル
  • 2.3 気相法
  • 2.3.1 均一核生成モデルの拡張
  • 2.3.2 シード粒子存在下における核生成

【第2編 粉体プロセス技術】
第1章 焼結成形プロセス

  • 1 難焼結性を示す粉末の焼結プロセス解析と制御
  • 1.1 緒言
  • 1.2 Al-CNF複合材料
  • 1.3 Al2O3粉末の焼結
  • 1.4 WC、Cr3C2、WS2、MoS2よりなる複合材料
  • 1.5 FeB、Fe2Bよりなる複合材料
  • 1.6 結言
  • 2 セラミックスシートへの微細パターニングおよび流路成形
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 マイクロパウダーインプリントプロセス
  • 2.3 多階層パターニング
  • 2.4 セラミックス薄層の波状パターニング
  • 2.5 多層インプリント
  • 2.6 微細流路を含むインプリント加工
  • 2.7 おわりに

第2章 立体成形プロセス

  • 1 3Dプリンタによる金属粉体の成形技術
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 AM技術の分類と特徴
  • 1.2.1 分類
  • 1.2.2 粉末床溶融(パウダーベッド)方式
  • 1.2.3 指向性エネルギー堆積(デポジション)方式
  • 1.2.4 バインダジェティング方式
  • 1.2.5 ハイブリッド方式
  • 1.3 金属AMプロセス
  • 1.3.1 概要
  • 1.3.2 粉体特性
  • 1.3.3 造形プロセス
  • 1.4 AM技術における設計指針
  • 1.4.1 基本要素設計
  • 2 粉体の焼結プロセスによる3Dプリンティング技術
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ステレオリソグラフによる3Dプリンティング
  • 2.3 FDMによる3Dプリンティング
  • 2.3.1 FDMによる金属3Dプリンティング装置
  • 2.3.2 ステンレス鋼粉の成形
  • 2.3.3 チタンの造形
  • 2.4 インクジェット法による三次元積層造形
  • 2.5 仮焼結体、グリーン体のCAMによる三次元造形
  • 2.5.1 仮焼結のCAMによる三次元造形
  • 2.5.2 グリーン体のCAM(グリーンマシニング)による三次元造形
  • 2.6 まとめ

第3章 粉体加工プロセス

  • 1 摩擦攪拌技術の粉体プロセスへの応用
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 摩擦攪拌粉末プロセスの特長と課題
  • 1.3 攪拌部に粒子を均一分散させるための条件
  • 1.4 攪拌部の結晶粒微細化に有利な条件
  • 1.5 粒子体積率が制御されたFSPPによるZrO2ナノ粒子分散超微細粒Mg複合材料の創製
  • 1.6 攪拌部の添加粒子体積率を増大させる試み
  • 1.7 反応性粒子の添加を伴う摩擦攪拌粉末プロセス
  • 1.8 FSPPによる機械的性質の変化
  • 1.9 FSPPによる機能的性質の変化
  • 1.10 最後に
  • 2 フィラー用無機粉体の表面改質
  • 2.1 はじめに
  • 2.1.1 フィラーとは
  • 2.1.2 フィラーの種類と役割
  • 2.2 フィラーの分散
  • 2.2.1 分散の単位過程
  • 2.2.2 濡れの機構
  • 2.2.3 安定化の機構
  • 2.3 粒子の表面改質
  • 2.3.1 表面改質の目的
  • 2.3.2 化学的手法
  • 2.3.3 物理的手法

【第3編 次世代的用途に向けた粉体材料の応用開発】
第1章 電子機器への応用例

  • 1 高放熱AlN基板の開発
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 AlNの性質
  • 1.3 AlN粉体の製造方法と特徴
  • 1.4 高熱伝導AlN基板の製法と高熱伝導化機構
  • 1.5 高熱伝導AlN基板の評価
  • 2 感光性レジストをもちいたセラミックシートの加工方法
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 従来技術と加工における課題
  • 2.2.1 セラミックシート加工技術
  • 2.2.2 電極パターン形成技術
  • 2.2.3 異種材料導入技術
  • 2.3 感光性レジストをもちいたセラミックシートの加工方法
  • 2.3.1 感光性レジストをもちいた高アスペクト比パターンの形成
  • 2.3.2 感光性レジストをもちいた異種材料パターンの形成
  • 2.4 まとめ
  • 3 ガラスまたはLTCCの陽極接合によるウェハレベルMEMSパッケージング
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 蓋ウェハの陽極接合
  • 3.3 真空封止
  • 3.4 フィードスルー
  • 3.5 プリント基板へのチップ実装
  • 3.6 おわりに

第2章 新奇機能性電池への応用例

  • 1 電池の性能と品質向上を支える粉体プロセスの役割
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 高性能・安全性の高い電極を作成するための微粉砕技術
  • 1.3 電極の高性能化のための乾式粒子複合化技術
  • 1.3.1 正極活物質へのナノサイズのカーボンの分散と複合化
  • 1.3.2 正極活物質の長寿命化・安全性の向上
  • 1.3.3 その他の正極活物質の乾式粒子複合化による高性能化
  • 1.3.4 負極活物質の表面改質
  • 1.4 粒子球形化技術
  • 1.5 おわりに
  • 2 粉体を用いた二次電池用高容量正極活物質の開発
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ゾル-ゲル法による正極活物質の合成および電池特性
  • 2.2.1 正極活物質の合成および粉体特性
  • 2.2.2 正極活物質の電気化学的特性
  • 2.3 噴霧熱分解法による正極活物質の合成および電池特性
  • 2.3.1 正極活物質の合成および粉体特性
  • 2.3.2 正極活物質の電気化学的特性
  • 2.4 ガス燃焼噴霧熱分解法による正極活物質の合成および電池特性
  • 2.5 パルス燃焼噴霧熱分解法による正極活物質ナノ粒子の合成および電池特性
  • 2.6 まとめ

第3章 軽量複合材料への応用例

  • 1 CNF/熱可塑性樹脂
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 CNFと熱可塑性樹脂混合における課題
  • 1.3 セルロースの化学変性
  • 1.4 セルロースと熱可塑性プラスチックの複合化手法
  • 1.5 変性CNFの耐熱性樹脂への適用
  • 1.6 CNF強化樹脂材料のリサイクル特性の評価
  • 1.7 まとめ
  • 2 粉末冶金法を用いた環境配慮型マグネシウム複合材料の開発
  • 2.1 マグネシウム複合材料
  • 2.2 アルミナ粒子分散マグネシウム複合材料の作製
  • 2.2.1 はじめに
  • 2.2.2 作製プロセス
  • 2.2.3 評価方法
  • 2.2.4 結果および考察
  • 2.2.5 まとめ
  • 2.3 アルミナ粒子分散マグネシウム複合材料の軽量化
  • 2.3.1 はじめに
  • 2.3.2 作製プロセス
  • 2.3.3 評価方法
  • 2.3.4 結果および考察
  • 2.3.5 まとめ