主要自動車部品の世界市場 市場動向1

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自動車産業は日米欧を中心とした先進国市場が成熟化する一方で、新興国における生産/販売台数が各国の経済成長に比例して増加する状況となっている。既に日本/EU/NAFTAよりも、その他地域の生産台数が上回っており、自動車メーカー、自動車部品メーカーは新興国向け戦略に注力する必要に迫られている。

新興国向けの長期的かつ継続的事業戦略の方策としては生産/流通コストの低減がある。新興国のローカルメーカーがコスト面で差別化を図る一方で、技術力のアップも図り、先進自動車メーカー&部品メーカーをキャッチアップしようとしている状況の中、受けて立つ先進メーカーもコスト面に対する取り組みが必須となっている。

一方、先進国・新興国を問わず、自動車の普及に伴う環境対策と安全性向上への関心が高まっており、各メーカーとも関連の技術開発に対して多大な投資を試み、これらの課題解決に関連したキーワードとして「モジュラーデザイン」、「軽量化」を掲げ、より高い機能・性能の実現を図っている。

そこで、今回からは世界の自動車市場とその部品の市場動向について取り上げてみる。第1回目は完成車市場の動向について取り上げる。

■(1)世界自動車市場の概況
2013年におけるワールドワイドの自動車生産台数は、8,394万2千台に達した。既に市場が成熟し、かつ人件費コストが割高な日本/EU/NAFTA地域では、自動車生産台数が伸び悩みつつある。その一方で、中国、インドに代表される新興国では、経済成長に伴いローカルメーカーはもちろん、日本/EU/NAFTAの自動車メーカーの現地生産拠点でも順調に生産台数を拡大させている。

その結果、全世界の自動車生産台数は、今後も拡大を続け、2025年には1億2,492万5千台に達するものと予測される。

日本/EU/NAFTAにおける生産台数は伸び悩むといえども、2025年における予想生産台数は4,378万台と、2013年実績値と比較して6.1%の増加となると予想され、その他地域における生産台数の伸び率は日本/EU/NAFTAの生産台数の伸び率をはるかに上回る8,114万5千台に達するとみられ、2013年の実績値に対し90.0%の増加となると予想される。

この結果、2025年には全世界で生産される車両の65%が日本/EU/NAFTA以外の地域で生産されることになるものと予測され、自動車部品メーカーや材料メーカーは、2025年までの間、日本/EU/NAFTA地域以外での部品生産拠点の整備や部品流通体制の強化に向けたより一層の取り組みが求められることになると予想される。

<日本/EU/NAFTAとその他地域の自動車生産台数予測>
摘要2013年実績2015年(予測)2020年(予測)2025年(予測)
その他地域生産台数(千台)42,69749,74865,80081,145
日本/EU/NAFTA生産台数(千台)41,24542,47042,99043,780
合計83,94292,218108,790124,925
富士キメラ総研調べ

■(2)環境対応車市場の概況
次に、環境対応の視点から注目されている次世代自動車の、HV、PHV、EV、FCVの動向をみてみる。2013年における環境対応車の生産台数はワールドワイドで194万1千台となった。環境問題に対する意識の高まりや、車両価格の低下もあり、年々堅調に需要を拡大し生産数量を伸ばした。

環境問題に対する関心の高まりや、各国政府による普及促進策(補助金の交付など)の実施なども需要拡大の背景となっている。今後も環境対応車は順調に生産台数を拡大していき、2025年には全世界で1,586万3千台の環境対応車が生産されるものと予測される。

自動車全体で見た場合、環境対応車の普及比率は限定的なものにとどまると予想される。エンジンのみ駆動する車両(ICEV:Internal Combustion Engine Vehicle)と、環境対応車の生産台数の比率を示した。

<ICEVと環境対応車(HV/PHV/EV/FCV)の生産台数比率>
摘要2013年実績2015年(予測)2020年(予測)2025年(予測)
環境対応車(千台)1,9412,9137,18815,863
日本/EU/NAFTA生産台数(千台)82,00189,305101,602109,062
合計83,94292,218108,790124,925
富士キメラ総研調べ

環境対応車は順調に生産台数を拡大するが、自動車生産台数全体で見た場合、2025年段階でも全体の12.7%を占めるのみと予測される。

環境対応車は、従来型のエンジン駆動車と比較すると、同じ程度のサイズの車両でも価格が高くなる。加えてEVには現在、航続距離の短さと、継続使用によるバッテリー容量の低下という課題がある。

上記の課題解決のために、自動車メーカー、自動車部品メーカーを含むさまざまな企業が長期にわたって継続的に技術開発を続けているが、ユーザーがこの課題を強く意識することなく環境対応車を選択するようになるには、まだ20~30年単位の時間が必要だと考えられる。

次回からは、部品市場の動向について取り上げる予定である。

参考文献:「2014 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧」
(2014年08月06日:富士キメラ総研)

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