プラスチックフィルム・シート市場 市場動向1

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世界のプラスチックフィルム・シート市場は拡大を続けており、特に近年、経済成長の大きな中国、東南アジア地域における市場拡大が期待されている。富士キメラ総研によると2014年の世界市場は約1,093万t/4兆4,000億円(対象30品目)が見込まれており、2018年までに数量ベースで年平均成長率3.6%と予測している。

また、国内需要(49品目対象)は、2014年で348万t、1兆6,800円規模の市場を形成する見込みである。需要構成をみると、容器・包装分野に利用される割合が、約77%(約268万t規模)となっている。

これまで、日本市場はボトル容器の代替や個食化ニーズへの対応などにより、人口や経済成長の伸び率よりも大きく拡大してきた経緯を持つ。しかし、この成長は鈍化しており、また工業や光学といった従来国内が強かった高付加価値分野でも海外市場へシフトさせている。そのため、同社の調査結果でも2018年までの予測で、355万7,600t/1兆7,540億円規模と、年平均成長率は数量ベースで0.5%の予測となっている。

■プラスチックフィルム・シートの国内市場
プラスチックフィルム・シートの国内市場
2014年の市場は、原料高騰による値上げがあり、前年比1.7%増の1兆6,847億円が見込まれる。需要は、ほぼ横ばいで今後もこの傾向は続くとみられる。

汎用樹脂フィルム領域は、成長率が低いが、LCDなどのディスプレイに採用される無延伸PVAフィルムやPMMAフィルムの伸びは高い。特に、PMMAフィルムは、TACフィルムからの置き換えにより偏光板保護フィルムとしての採用が加速するとみられる。

包材としては、環境への意識の高まりから詰め替え容器向けの需要の増加がみられる。また、真空断熱材向けとしても需要が増加しており、冷蔵庫だけでなく、自動販売機の省エネにも貢献している。

エンプラフィルムやスーパーエンプラフィルム領域では、LCD関連とリチウムイオン電池関連向けの需要が伸びている。また、フッ素系フィルムなどは、スタジアムの屋根膜やオフィスビル防音壁などの建築用途において需要の増加が期待されている。

シート領域では、A-PETシートの伸びが顕著である。A-PETシートは、原料高騰が続くOPSシートの需要を獲得しているほか、コンビニエンスストアなどのカウンターコーヒー容器向けで需要が増加している。

■プラスチックフィルム・シートの世界市場
プラスチックフィルム・シートの国内市場
2014年の市場は、前年比3.1%増の4兆4,033億円が見込まれる。2011年から2013年まで年率5~6%で伸びてきた。今後も拡大が期待され、2018年には4兆9,534億円になると予測される。

数量ベースでは2014年に1,093万トンが見込まれる。PPフィルムとPETフィルムが8割以上を占める。包材用の汎用フィルムとして世界中で採用されており、需要が多い。今後需要が増加する用途としては、光学フィルム、自動車、太陽電池関連などがある。これらの用途に使われるのはエンプラフィルム領域が中心となっている。

品目別にみると伸びているのは、耐熱透明フィルムである。軽量化やフレキシブル化の付与という特徴があり、太陽電池や電子ペーパー、有機ELなどのディスプレイ基板材料として近年採用が拡大している。PMMAフィルムは、偏光板保護フィルムとして拡大が期待されており、韓国メーカーの採用を契機に世界でも採用が拡大する見通しである。また、PPSフィルムも電気自動車(EV)などの自動車関連の需要にあわせて伸びていくとみられる。PLAフィルム・シートは、世界的な環境意識の高まりから好調に拡大している。PLA樹脂に限らずバイオマス由来や生分解性樹脂を使ったフィルムの採用は、コストアップになるが、今後も拡大が予想される。PVDFフィルムは主に太陽電池用途を中心に、今後も拡大するとみられる。太陽電池は中国や台湾メーカーの生産が中心となっており、コストダウンが大きく進んでいる。そのためPVDFフィルムは、競合のPVFフィルムやETFEフィルムから、コストを理由にシフトしており、伸びている。

参考文献:「2014年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2014年10月21日:富士キメラ総研)

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