プラスチックフィルム・シート市場 市場動向2

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前回はトータル市場の動向を開設したが、今回は。特に用途展開の変化で注目される製品としてPVBフィルムとPENフィルム、そして不織布の3製品を取り上げてみる。

■プラスチックフィルム・シートの国内市場
(1)PVBフィルムの世界市場
 2014年見込2013年比2018年予測2013年比
世界1,820億円101.4%2,041億円113.8%
 国内110億円96.5%116億円101.8%
※国内市場は、世界市場の内数である。富士キメラ総研調べ

PVBフィルムは、ガラスとの接着性、耐貫通性、透明性に優れていることから、合わせガラスの中間膜として自動車のフロントガラスや、建築用途に採用されている。

2014年の世界市場は前年比1.4%増の1,820億円が見込まれる。多くの国でフロントガラスへの合わせガラスの搭載が義務付けられていることから、自動車用途が需要の中心である。中国や東南アジアでの自動車生産が好調であることから、市場も拡大している。

建築用途は欧米での採用が中心であるが、すでに普及が進んでいることから微増となっている。今後、東南アジアなどの新興国で建築用ガラスの安全基準が見直されることで、合わせガラスの採用が増加するとみられ、市場の押し上げが期待される。

中間膜以外では、太陽電池封止材としても採用されているが、同用途の中心はEVAフィルムで、さらにPVBフィルムと相性の良かった薄膜太陽電池の生産が低迷したことで需要は減少している。

(2)PENフィルムの世界市場
 2014年見込2013年比2018年予測2013年比
世界132億円97.1%139億円102.2%
 国内124億円96.9%130億円101.6%
※国内市場は、世界市場の内数である。富士キメラ総研調べ

PENフィルムはPETフィルムと同じポリエステルの一種である。PETフィルムと比較すると耐熱性、寸法安定性、強度、耐久性、電気特性などあらゆる性能において優位性があるが、高価である。

2014年の市場は前年比2.9%減の132億円が見込まれる。需要の6割以上を占める磁気テープ向けにおいて、PETフィルムとの競合により需要が減少していることから、市場は縮小するとみられる。

2016年頃からは車載用の固体高分子型燃料電池や照明、太陽電池、ディスプレイなどのフレキシブル基板材料向けの需要増により、市場は拡大に転じると予想される。ただし、フレキシブル基板材料はさまざまなフィルムの採用が検討されており、特に安価なPETフィルムとの競合が想定される。

また、自動車用途ではワイヤーハーネス代替FPC、シートセンサー用基板、HV・EVモーター絶縁材などに採用されているが、HV・EVモーター絶縁材向けは、今後のHV・EVの生産台数拡大による需要増が期待される。

(3)不織布の国内市場
2014年見込2013年比2018年予測2013年比
1,340億円107.2%1,610億円128.8%
富士キメラ総研調べ

不織布の主な製造方法は、スパンボンド法やメルトブロー法があるが、近年は製造方法の複合化が進んでおり、多層構造からなるスパンボンドとメルトブロー法を複合した製造方法もある。市場はこれら製法の不織布を対象としている。

2014年の市場は前年比7.2%増の1,340億円が見込まれる。需要の中心である生理用品や紙おむつなどの衛生材料向けが非常に好調であることから拡大している。スパンボンド法の不織布にはPP、ポリエステル、PA、PE、レーヨン、ポリ乳酸などの素材が採用されているが、需要の約8割はPPであり、次ぐのはポリエステルである。PPを素材とする不織布は衛生材料向けが中心である。一方、ポリエステルは耐熱性、耐溶剤性、強度などに優れることから、自動車、土木や建築、産業用などの部材用途が中心である。一時的な消費税増税前の駆け込み需要や、また東日本大震災後の継続した復興需要を背景に、土木や建築資材用途の需要が拡大している。

参考文献:「2014年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2014年10月21日:富士キメラ総研)

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