プラスチックフィルム・シート市場 市場動向3

マーケット情報TOP
市場拡大を続けている世界のプラスチックフィルム・シート市場について、今回は注目用途分野の最新動向について解説していく。

新規用途が多いのは容器・包装とエレクトロニクス分野である。容器・包装では、CVSのカウンターコーヒーの登場によって、それに関連して用いられる材料は新規用途の開発につながっている。PET系フィルムは業務用コーヒー豆包装、A-PETシートはふた材として採用されている。

エレクトロニクス分野では、既存素材を代替する新規採用が目立っており、偏光板保護フィルムではTAC代替が進み、低吸湿性などからPMMAフィルムやPETフィルム、COC/COPフィルムが新たに用いられるようになった。また、COPフィルムは耐熱の信頼性や透過性の高さから透明導電性フィルム基材としての採用が進んでいる。

また、スピーカー振動板ではスマートフォンなどの小型スピーカー向けで、さらなる耐熱性要求からPEI代替が進行し、PEEKやPIが用いられるようになった。なお、音質を向上させ差別化を図る動きから、TPUを吸音層としてPEEK層の間に挟んだ製品が上市され始めた。

その他の分野では、CFRTPのバインダーとしての用途が目立ち、現在、CFRTPにおける炭素繊維に含浸させる樹脂には親和性の高いPAが用いられている。しかし、より耐熱性や機械強度の高い材料へのニーズがあり、PEEKや熱可塑性PIでのサンプル供給が行われている。

下記の表では注目素材と用途分野の関連をマッピングしてみた。

 容器・包装エレクトロニクス自動車エネルギー・環境その他









<CSV関連>
・PE系フィルム
・PO系フィルム
・A-PETシート
<レンジ対応>
・PETフィルム
・PPシート
<その他>
・PVCフィルム
・PPフィルム
・PVDC共押出フィルム
・EVOH系共押出フィルム
・PMMAシート
・PLAフィルム・シート
・合成紙
<タッチパネル>
・PETフィルム
・PCシート
・PENフィルム
・フッ素フィルム
・PIフィルム
・耐熱透明フィルム
<真空断熱材>
・PE系フィルム
・EVOH系フィルム
<その他>
・PCフィルム
・PEEKフィルム・シート
・LCPフィルム
<モーター絶縁材>
・PENフィルム
・PPSフィルム
<加飾フィルム>
・PMMAフィルム
・PCフィルム
<その他>
・PVBフィルム
・TPUフィルム
・PETフィルム
・PCシート
・PTFE多孔質膜
<太陽電池>
・PVFフィルム
・PVDFフィルム
・EVAフィルム
・PENフィルム
・PAフィルム
<燃料電池>
・PTFE多孔質膜
<建材>
・PMMAフィルム
・ETFEフィルム
・PVFフィルム
<CFRTP用>
・PIフィルム
・PEEKフィルム・シート
<その他>
・フッ素フィルム
・生分解性フィルム・シート
・不織布





<CVS関連>
・CVSカウンターコーヒー
→PE系:コーヒー豆包装
→A‐PETシート:ふた材
・CVS店舗拡大
→PO系需要増
<その他>
・高齢人口増
→PE/EVOH系共押出シート(流動食包材、介護食向け容器)
<タッチパネル・OLED>
・製品市場拡大
・ガラスからの代替
<その他>
・スマートフォン向けスピーカー振動板で高耐熱性ニーズの高まり
・FPC、絶縁材分野での素材代替
→変性PPE、LCP
<モーター絶縁材>
・EV/HVの市場拡大
<加飾フィルム>
・意匠性による差別化
<その他>
・採用部位の拡大
→合わせガラス中間膜材
<太陽電池>
・製品市場拡大
・フレキシブル化
<LiB・燃料電池>
・製品市場拡大
<建材>
・高付加価値化(耐候性、防汚性、意匠性)
<その他>
・企業・農家における省力化ニーズ
→生分解性フィルム・シート
富士キメラ総研調べ

容器・包装分野では、CVSの店舗数増加やCVSカウンターコーヒーの登場などによりCVS関連の需要が増加している。また、レンジアップ対応ニーズの高まりによってPETフィルムや高透明PPシートの需要が増加している。

エレクトロニクス分野では、タッチパネルやOLEDの関連市場が用途の拡大やガラス材料代替によって需要が拡大していき、真空断熱材では、EVOH系フィルムが電力使用量削減からアルミ代替の進行、L-LDPEシーラントは冷蔵庫以外にも自動販売機での採用によって市場が拡大している。

自動車分野では、EV/HVの市場拡大からモーター絶縁材向けの需要が伸長している。また、自動車の差別化を目的に加飾フィルムの採用により意匠性を向上させる動きがあり、関連フィルムの市場が伸びている。

エネルギー・環境分野では、太陽電池市場の拡大に伴って、バックシートに使用されるPVFやPVDF、封止材に使用されるEVA、フレキシブル基板に使用される可能性のあるPENなどの需要伸長が予測される。

参考文献:「2014年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2014年10月21日:富士キメラ総研)

メディカルソリューション、人工知能など注目業界特集


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ