有機&プリンテッド・エレクトロニクス製品の世界市場 市場動向1

マーケット情報TOP
機能性有機材料を用いた有機エレクトロニクスは、有機ELや有機トランジスタ(TFT)、有機薄膜太陽電池に代表される電界発光機能、半導体機能、光電変換機能と合わせ、薄型・軽量・柔軟性を特徴とし、基板上に塗布/印刷によって素子形成が可能なため、有機材料の特性に応じて様々なプリンテッド・エレクトロニクスへの適用が期待されている。

そのプリンテッド・エレクトロニクスは、印刷/塗布技術を生産プロセスの一部または全工程に用い、電子素子・回路を形成したエレクトロニクス製品を指す。既存の真空成膜・フォトリソグラフィー・エッチングなどのプロセスを用いた製造方法に比べ、「設備投資費用の抑制」「大面積・薄型シートデバイスの実現」「材料ロス減少によるコスト削減」「低コストかつ多品種小ロットでの生産」「フレキシブルデバイスの製造」などのメリットを持つとされる。

現行のエレクトロニクス製品でも印刷技術は採用されているものの、メンブレンスイッチやタッチセンサーにみられるような金属ペーストを用いた回路形成など、一部の採用にとどまっている。今後、材料・プロセスの進化によって各種電子デバイスの回路形成の印刷、全工程に印刷技術を導入したフレキシブルデバイス、さらに有機エレクトロニクスへの適用による製造プロセスの進化・新規デバイスの創造を促すものと期待されている。

今回は、次世代エレクトロニクスとして注目される「有機エレクトロニクス」「プリンテッド・エレクトロニクス」市場と、これらとの親和性が高い「フレキシブルエレクトロニクス」市場を取り上げた。

「有機&プリンテッド・エレクトロニクス製品の市場規模推移」
有機&プリンテッド・エレクトロニクス製品の市場規模推移

富士キメラ総研調べ

上記のグラフは有機エレクトロニクス製品、PE(プリンテッド・エレクトロニクス)応用製品を合計したものである。2014年の有機エレクトロニクス製品市場で大きなウェイトを占めるのは中小型AMOLEDであるが、タブレットサイズ以上の大型AMOLEDや印刷・塗布プロセスを採用した有機EL照明が2015年以降拡大する見込みである。

PE応用製品は市場の大部分を占めるタッチセンサー、フレキシブルプリント配線板が堅調に市場拡大する一方、有機イメージセンサー、圧力センサーシートなど印刷プロセスを採用したセンサーデバイスの需要が拡大する見通しである。

2015年から2020年はスマートフォンなどに採用される中小型AMOLEDが堅調に拡大すると予測され、また2015年以降TV、サイネージ、ノートPC、タブレット端末向けに大型AMOLED市場が立ち上がり、全体市場をけん引するとみられる。有機ELディスプレイのほか、塗布プロセス化の進む有機EL照明が2030年まで高成長を維持する模様だ。

■有機エレクトロニクス製品のプリンテッド化の動向
主なデバイスのプリンテッド化率(金額ベース)
 2014年2030年予測
大型AMOLED11.0%
有機EL照明18.9%60.6%
有機薄膜太陽電池僅少56.0%
富士キメラ総研調べ

現状は有機EL照明が進んでいるが、長期的には大型AMOLEDでもプリンテッド化が進むとみられる。有機EL照明は発光層への塗布プロセス化が進み、2016年には市場の過半数がプリンテッド化製品になると予想される。

■有機エレクトロニクス製品のプリンテッド化の動向
主なデバイスのプリンテッド化率(金額ベース)
 2014年2030年予測
大型AMOLED44.8%
中小AMOLED1.8%63.5%
有機EL照明20.0%95.5%
富士キメラ総研調べ

有機薄膜太陽電池、有機メモリー、有機イメージセンサーシート、有機TFTはフィルム基板上に製造されるため、全量がフレキシブル製品である。中小型AMOLEDは2013年にSamsung El.とLG EL.が「薄型・軽量・割れにくい」点を特徴としたフィルム基板を採用したスマートフォンを投入し、市場が立ち上がった。今後もスマートウォッチやスマートフォン向けで需要が拡大していくとみられる。中長期的にはタブレット端末サイズ(大型AMOLED)でもフィルム基板の採用が増加するとみられる。

参考文献:「2015 有機&プリンテッドエレクトロニクスの将来展望」
(2015年02月13日:富士キメラ総研)

エンプラ関連専門サイト EnplaNet Books


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ