機能性高分子フィルム市場 市場動向1

マーケット情報TOP
機能性高分子フィルムはベース材となるプラスチックフィルムにコーティングや蒸着などの表面処理や、ラミネートなどの二次加工、またはベースフィルム自体の高機能化やハイブリッド化などの機能を付与したフィルムとして、エレクトロニクス、エネルギー、自動車、包装、メディカルなど、非常に広範な分野で応用されている。

特にFPD分野における機能性高分子フィルムの市場規模は大きく、日系メーカーが得意とする領域である。また、近年はスマートフォンおよびタブレットなどタッチパネル関連分野が高い成長率を示している。

エレクトロニクス分野は、価格競争が激しく、金額ベースでの成長が鈍化傾向にあるものの、新興国などでの需要は旺盛であり、今後も市場の拡大が予測される。一方、国内市場はアベノミクスによる経済成長が期待され、2020年の東京五輪開催決定など、内需拡大の機運が高まりと相まって、建材・インフラ関連やライフサイエンス関連でのフィルム需要拡大も予測される。加えて、2014年後半から円安・原油安が進んでおり、加工貿易国である日本にとって、輸出拡大の追い風ともなっている。

国内外の機能性高分子フィルム市場は拡大傾向であるが、中国経済の減速や、不安定な原油価格など懸念材料は少なくない。また、エレクトロニクス分野などは変化が激しい市場であり、品目によっては市場規模が縮小するものもあり、マーケティング活動の重要性は増している。そこで、今回からは、機能性高分子フィルムを取り上げてみた。

■市場規模の推移予測(世界市場)
機能性高分子フィルム市場 市場規模の推移予測(世界市場)

富士キメラ総研調べ

■有機エレクトロニクス製品のプリンテッド化の動向
主なデバイスのプリンテッド化率(金額ベース)
 2014年2030年予測
大型AMOLED11.0%
有機EL照明18.9%60.6%
有機薄膜太陽電池僅少56.0%
富士キメラ総研調べ

■市場成長性の要素/要因
市場拡大要因として、スマートフォン・タッチパネル市場、エネルギー分野(太陽電池、LiB)、新興国の経済成長に伴う自動車などの市場拡大が挙げられる。また、世界市場ではFPD分野が市場をけん引しており、特にタッチパネル関連の機能性フィルムに高成長が見込まれる。

国内市場では、アベノミクス戦略による経済政策の推進に伴い、建築物などの改修・長寿命化、省エネ、高齢化社会、EV・HVなどのエコカー普及等をキーワードとした領域の需要拡大が期待されている。

特に、インフラ関連需要拡大への期待やライフサイエンス分野の安定需要が市場のけん引役を果たすとみられ、2020年東京五輪開催に向けた各種施策も市場拡大のチャンスとみられている。なお、分野別では自動車用フィルム向け需要拡大が特筆される。

一方、市場成長の阻害要因として懸念されることは、・エレクトロニクス分野における単価下落が、製品間の競合激化・価格競争を生み、国内では製造業の空洞化(海外シフト)による経済成長の停滞や人口減少による消費の縮小等が挙げられている。

※市場規模の数値に含まれる製品群
FPD偏光板、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、表面処理フィルム、モスアイフィルム、輝度向上フィルム、拡散シート、反射シート、透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、プラスチックフィルム基板、光学用透明粘着シート(OCA)、プロテクトフィルム、FPD用離型フィルム、OLED用位相差フィルム
半導体・実装バックグラインドテープ、ダイシングテープ、ダイボンドフィルム、高耐熱接着フィルム、ドライフィルムレジスト、層間絶縁フィルム(アディティブ基板用)、カバーレイフィルム、FPC用離型フィルム
自動車・産業用加飾フィルム、転写フィルム、自己修復フィルム、モーター用絶縁フィルム、産業用絶縁フィルム、自動車用ウィンドウフィルム、CFRP用離型フィルム、フィルムコンデンサー用フィルム、MLCC用離型フィルム
エネルギー太陽電池用封止フィルム、太陽電池用バックシート、LiB用セパレーター、LiB用ラミネートフィルム、圧電フィルム
バリアフィルム透明蒸着フィルム、ONY系共押出フィルム、EVOH系共押出OPPフィルム、PVAコートOPPフィルム、ハイブリッドバリアフィルム、ナノコンポジットコートフィルム
建材・インフラ
(国内市場)
透湿防水シート、防湿気密フィルム、建築用ウィンドウフィルム、遮音シート、化粧シート、真空断熱材用フィルム、光触媒フィルム、防水シート、遮水シート、コンクリート補強用シート
ライフサイエンス
(国内市場)
テープ剤用離型フィルム、癒着防止フィルム、イージーピールフィルム、方向性フィルム、通気性フィルム、生分解性マルチフィルム
参考文献:「2015年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望」
(2015年01月23日:富士キメラ総研)

エンプラ関連専門サイト EnplaNet Books


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ