バイオマス利活用市場向 市場動向1

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バイオマスは2002年度に「バイオマス・ニッポン総合戦略」が閣議決定され、各省庁において様々な利用技術の実証事業が行われ、技術導入等も進んで、一躍注目を集めた経緯がある。目的は「バイオマスの総合的な利活用」を推進し、「動植物、微生物、有機性廃棄物からエネルギー源や生分解素材、飼肥料等の製品を得ること」を目指した。

しかし、2011年度に総務省行政評価局が報告した「バイオマスの利活用に関する政策評価」では、バイオマス関連214事業中35事業(16.4%)しか、成果がなかったと報告されている。

その後、東日本大震災&福島原発事故により、国内におけるエネルギー政策の見直しが急務となったことで、バイオマス関連市場は新たな転機を迎え、FIT(固定価格買取制度)が2012年7月より開始されたことで、バイオマス発電市場に追い風が吹く状況が続いた。

■全体市場の動向
国内(一部日系メーカーの海外実績を含む)におけるバイオマス利活用関連技術・製品市場は、2013年度実績で前年比165.1%の2,588億円の市場となった。2011年度時点では1,219億円の市場であり、2年間で実に2倍以上の市場に拡大したことになる。

市場の急拡大の要因は、2012年7月より施行された再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(通称FIT)が最大の要因となっている。同制度によって電力販売収入が得られるようになり、それまで投資回収が困難とされたバイオマス発電も見直され、プラント建設の動きが急速に高まった。バイオマス原料が発生する木材加工業や製紙会社、下水処理場だけでなく、林業事業者や新規発電事業者なども事業計画を進めたことで、市場は大きく拡大した。

一方で、2014年度以降は、FITを背景に拡大したプラント需要に陰りが見え始めている。大口案件の需要一巡、大量の原料バイオマスの確保が困難となり、案件の小規模化、さらにFITの買い取り価格の見直しにより事業性の悪化などが予想される。

またマテリアル分野でも、バイオマス由来のケミカル製品の普及拡大が進んだ。特にバイオPETやバイオPPなど汎用樹脂製品の原料バイオマス化によって、用途及び需要量は大幅に拡大している。

2014年度以降は、実機の稼動開始が相次ぐ予定で、バイオマス由来電力の供給量が急増する見通しである。またバイオマス由来のケミカル製品の更なる普及に加え、藻類利用技術及び製品や炭化素材など高機能なマテリアルの普及拡大が期待される。そのため、2020年度にはバイオマス由来製品市場が中心となり、4,377億円にまで市場は拡大する見通しである。

■バイオマス利活用市場のトレンド
バイオマス利活用市場のトレンド
富士経済調べ

上記の集計数値の対象製品群
区分対象製品名
バイオマス利活用
装置・プラント
バイオマス直接燃焼ボイラ、バイオマスボイラ用蒸気タービン、バイオガス化(メタン発酵)、バイオガス発電機、バイオマスガス化・燃料化(Biomass to Liquid)、バイオエタノール化、バイオディーゼル化、藻類利用技術(燃料化、素材利用)、ペレットボイラ、バイオオイル化、炭化・バイオマス固形燃料化
バイオマス由来製品バイオマス由来電力、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、藻類利用製品(食品等原料、バイオ燃料)、バイオマスプラスチック・バイオ化学品、木質ペレット、バイオマス固形燃料・炭化素材、木質由来材料(セルロースナノファイバー、リグニン製品)

参考文献:「2015年版 バイオマス利活用技術・市場の現状と将来展望」
(2015年01月22日:富士キメラ総研)

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