燃料電池システム・主要スタック部品の世界市場 市場動向1

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燃料電池は、エネルギー基本計画や日本再興戦略など、日本のエネルギー政策と産業政策において重要な位置づけにあり、2030年の普及目標が示されている。CO2排出削減対策として、家庭用はメーカー、エネルギー事業者、ハウスメーカー/ビルダーなどが積極的に取り組んでおり、伸びが期待される。また、燃料電池車は商用化が開始されたばかりであるが、2020年度以降には市場をけん引する分野に成長すると予想される。

■調査結果の概要
燃料電池システム世界市場の推移
摘要2013年実績2015年見込2020年予測2025年予測2030年予測
燃料電池システム市場1,0941,9239,23223,17964,923
主要スタック部品市場1511907001,9565,273
富士経済調べ

2013年度の燃料電池システム市場は、1,094億円、そのうちスタック部品(PEFC、SOFC)が約14%(151億円)となった。産業・業務用燃料電池や家庭用燃料電池に加えて、燃料電池車が市販化され、主要商品が揃ったことになる。

研究開発は盛んに行われているが、一定以上の事業規模を持つ企業はまだ非常に少なく、今後の参入が待たれる状況であるものの、市場規模が1,000億円を超えたことで注目度が上がっており、国内でも2015年以降の新規参入が予定されている。

市場はまだ黎明期で、多くの開発課題が残されており、特にシステムコスト低減は今後も燃料電池市場の重要なテーマである。これらの課題解決が進むことで、2020年以降は本格的な市場拡大が進むことになる。

燃料電池システムは、MCFC、SOFC、PEFC等のタイプに分かれるが、2013年度はMCFC、SOFC、PEFCがほぼマーケットシェアが拮抗している。MCFCは産業・業務用に特化し、今後も市場拡大が続くが、メーカー寡占状態は続くと見られる。

一方、SOFC、PEFCは分野の広がりや新規参入により、2大技術になっていく。SOFCは大型向けから家庭用へ、PEFCは家庭用と燃料電池車で市場は拡大する。

■用途分野別市場規模推移
単位:億円
摘要2013年実績2015年見込2020年予測2025年予測2030年予測
 燃料電池システム市場1,0941,9239,23223,17964,923
産業・業務用6951,2012,7484,8336,813
家庭用3195113,0996,1207,910
燃料電池車1492,70210,74547,520
駆動用1570383537830
ポータブル/
バックアップ
63882456891,595
携帯機器用1455255255
富士経済調べ

現状は、産業・業務用が6割を占めると見込まれる。現状はMCFCとSOFCが中心だが、2030年度はSOFCの構成比が高まるとみられる。産業・業務用の市場はRPS制度(Renewable Portfolio Standard)や固定価格買い取り制度、補助金など政策方針が大きく影響している。自家発電以外にも発電事業者が売電用に燃料電池を導入するケースが増えている。

日本では参入企業が限られていたが、2015年度以降は複数の企業が実証実験後に新規参入するとみられ、市場の拡大が期待される。

全体の3割を占める家庭用は、日本での需要が大部分である。大手都市ガス事業者を中心にエネファームが好調である。2015年度は民生用燃料電池導入補助金制度の最終年度となるため、更なる普及促進のためには新規導入補助制度と共に低価格化が望まれる。

現状はPEFCが大部分でSOFCは一部にとどまっているが、発電効率の高さと低価格化のポテンシャルにおいてSOFCが注目される。

燃料電池車は、先行する自動車メーカーによる第一世代車が2015年度から2018年度に出揃うとみられ、2020年度には各メーカーが量産体制を整えると想定される。補助金制度が充実している日本、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制が課されるアメリカのカリフォルニア州、環境対応自動車のユーザーメリットが大きい北欧などの欧州諸国から普及が始まるとみられる。

日本では、東京五輪を契機とした水素インフラの新規整備、燃料電池車・水素燃料の認知度向上などにより、2020年度以降の本格的な普及に向けた施策が期待される。先進国を中心に普及が進み、2030年度には4兆7,520億円が予測される。

■燃料電池スタック部品市場(PEFC、SOFC)
単位:億円
摘要2013年実績2015年見込2020年予測2025年予測2030年予測
 主要スタック部品市場1511907001,9565,273
PEFC8996598,6964,795
SOFC6294102260478
富士経済調べ

PEFCスタック部品は、家庭用、燃料電池車、駆動用、ポータブル/バックアップの需要が大きい。今後は、国内外のメーカーが燃料電池車の商品化を進めるに伴い、市場は大きく拡大するとみられる。性能開発と低価格化が進められており、燃料電池車向けの生産増加による低価格化が期待される。これには、仕様の共通化など生産規模の拡大に向けた部品メーカーの提案も必要とされている。種類別では、市場拡大が進むにつれて電極材の構成比が高くなるとみられ、2030年度には5割弱を占めると予想される。

SOFCスタック部品は、現状では産業・業務用の需要が中心である。今後は産業・業務用に加えて、家庭用も拡大するとみられるが、燃料電池車のような大量需要先がないため、将来的にはPEFCスタック部品の市場を下回ると予想される。種類別の構成比は、金属インターコネクタと電解質が高い。

参考文献:「2015年版 燃料電池関連技術・市場の将来展望」
(2015年02月02日:富士経済)

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