触媒製品の世界市場 市場動向2

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触媒製品の世界市場、今回は成長率が高い分野として注目される「自動車分野」と、「燃料電池分野」の市場動向を取り上げる。又、前回から2回のシリーズで取り上げた当該市場の総括と方向性を俯瞰してみた。

■自動車用触媒の市場規模推移
2014年2030年予測2014年比
1兆7,468億円2兆6,358億円150.9%
富士経済調べ

上記の数値はガソリン車用触媒(三元触媒)、ディーゼル車用触媒(酸化触媒)、ディーゼル車用触媒(SCR触媒)を合わせたものである(前回号参照)。

三元触媒は、排ガス中の有害物質である一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物(NOx)を酸化・還元反応によって同時に浄化する触媒であり、ほぼ全てのガソリン車に採用されており、今後も継続するとみられる。中国や東南アジアなどの新興国は、ガソリン車の生産台数が伸びており、市場をけん引している。一方、日本はガソリン車の生産台数減少が予想され、市場も縮小するとみられる。

酸化触媒は、一酸化炭素、炭化水素、可溶性有機成分(SOF)を酸化除去する触媒であり、ほぼ全てのディーゼル車に採用されている。欧州は約6割がディーゼル車であり、当該市場をけん引してきた。

SCR触媒は、ディーゼル車のNOxを低減する尿素SCRシステム向けの触媒である。排ガス規制が整備されている先進国を中心に市場が形成されている。排ガス規制に対応するため開発された技術であり、規制値の厳しい地域が需要地である。欧州ではEURO6により、NOx排出量に対する規制値が大幅に引き締められたため、尿素SCRシステムの需要が増加した。日本はガソリン車が圧倒的なシェアを占めることや、燃料供給スタンドのインフラ整備があまり進展していないことから、規模が小さい。その中でトラックやバスの商用車への採用が始まっている。

■燃料電池用触媒の市場規模推移
2014年2030年予測2014年比
81億円2,899億円35.8倍
富士経済調べ

上記の数字は燃料電池(PEFC)用触媒、燃料電池(SOFC)用触媒、燃料電池改質用触媒を合わせたものである(前回号参照)。PEFC用触媒は白金などの活性金属と担体のカーボン材料の触媒を対象とした。

日本では家庭向けPEFC用触媒が、海外ではフォークリフトなどの動力機器向けや、バックアップ電源向けPEFC用触媒が市場の中心である。長期的には、白金の使用量低減や代替技術などが進展することで触媒の低価格化が進み、自動車への採用が進み市場が大きく拡大すると予想される。

SOFC用触媒は電極材(アノード、カソード)、電解質を対象とした。日本では家庭向けSOFC用触媒が市場けん引しているものの、セル供給メーカーが京セラ1社の独占状態にある。現在、複数メーカーが開発を進めており、2017年以降の市場投入が予想される。海外は欧州の家庭用SOFCと北米の産業・業務用SOFC用触媒がけん引している。SOFCの伸長に伴いSOFC用触媒も拡大するとみられる。

燃料電池改質用触媒は家庭向けおよび産業・業務向けの定置形燃料電池改質用を対象とした。日本では家庭向けPEFCが中心である。家庭向けPEFC改質用触媒は寿命10年以上の設定で開発され、現状ではほぼ全量新設用となる。

参考文献:「環境・エネルギー触媒 関連市場の現状と将来展望 2015」
(2015年08月19日:富士経済)

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