耐熱、光学・透明ポリマーの世界市場 市場動向1

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近年、耐熱ポリマーは自動車、航空機分野での採用が進んでいる。自動車分野では燃費向上を目的とした軽量化や耐熱性が求められている。部品の素材が金属から樹脂へと切り替えが進んでおり、電装品などの自動車部品では耐熱性の要求が高く、素材はエンプラおよびスーパーエンプラが主体となっている。

光学・透明ポリマーは、雑貨や住設・建材、エレクトロニクス製品まで幅広く採用されている。特に注目はエレクトロニクス分野であるが、物量の多いところでは電気・電子製品の筐体や部品などへの採用・拡大が期待される。光学分野においてもFPD関連フィルムや光学レンズの需要が今後も継続的に増加するとみられる。

今回より耐熱、光学・透明ポリマー市場についてレポートする。総括的な市場動向の解説と注目ポリマー樹脂の動向をシリーズで紹介していく。

■耐熱、光学・透明ポリマーの世界市場

分類2014年2018年(見込)2014年比
耐熱ポリマー5兆6,654億円6兆9,154億円122.1%
光学・透明ポリマー1兆7,038億円2兆196億円118.5%
合計7兆3,692億円8兆9,349億円121.2%
※各市場は四捨五入して億円単位にしているため合計が一致しない場合がある。
富士キメラ総研推定

耐熱ポリマー市場は自動車や産業機械向けを中心に成長を続けてきた。今後も自動車分野向けを中心に金属代替や車載電装化の影響から引き続き拡大していくとみられる。

光学・透明ポリマー市場は、数量ベースで規模が大きい汎用エンプラのPC(ポリカーボネート)やABSなどのスチレン系樹脂が、2011年以降、欧州の景気不安、中国での雑貨や建材関連の需要不振で伸び悩み、成長率が鈍化した。しかし、2013年以降、円安の影響から金額ベースでは上向き、2014年は1兆7,038億円、前年比9.4%増となった。今後はTVやエレクトロニクス製品向けの需要が拡大するとみられる。

※上記市場規模の数値に含まれる対象製品群
耐熱ポリマー
(17品目)
耐熱ABS、脂肪族PA、芳香族PA、変性PPE、サルフォン系樹脂(PES・PSU・PPSU)、PEI(ポリエーテルイミド)、耐熱ポリエステル、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、PPS(コンパウンド)、PPS(繊維・フィルム用)、PEEK、LCP、熱可塑性PI、PI(フィルム・ワニス)、フッ素、エポキシ、シリコーン
光学・透明ポリマー
(17品目)
PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC、COP・COC(環状ポリオレフィン)、フルオレン系ポリエステル、PEN、PET(汎用PET以外)、透明ABS、AS、MS・MBS、SBC(スチレン・ブタジエンコポリマー)、PMP(ポリメチルペンテン)、透明PA、透明PI、透明フッ素、高屈折率硬化性樹脂、メネガレンズ用熱硬化性樹脂、UV硬化系樹脂

■耐熱ポリマーの世界市場

 2014年2018年(見込)2014年比
販売量6,957千t7,810千t112.3%
販売金額5兆6,654億円6兆9,154億円122.1%
富士キメラ総研推定

耐熱ポリマーは、自動車や産業機械を中心に2.9%程度の年平均成長率で推移している。2015年は円安がさらに進んでいることから、円ベースでの市場規模金額の推移が大きくなっている。今後のトレンドとしては、数量規模の年平均成長率である2.8%前後の伸び率で推移していく見通しである。特に自動車関係が今後も3%以上拡大することから、成長要因となっている。自動車関係を中心に金属代替や車載電装化の影響から拡大が継続する見通しである。ピンポイントの事例ではPPSポリマーは、環境規制の強化によりフィルター向けの需要がひっ迫するなどの動向もある。

■光学・透明ポリマーの世界市場

 2014年2018年(見込)2014年比
販売量5,850千t6,492千t111.0%
販売金額1兆7,038億円2兆196億円118.5%
富士キメラ総研推定

光学・透明ポリマーは、数量規模の多い、汎用エンプラであるPCやABSなどのスチレン系樹脂において成長率が鈍化したことを背景に全体の年平均成長率は0.4%にとどまった。2011年以降、欧州の景気不安に始まり、中国での雑貨や建材関係の需要が伸び悩んだことが背景にある。スチレン系のポリマーやPMMAなど雑貨向けなどは低成長が今後も予測されている。世界は人口増や経済発展により、基本的にGDPは3%以上の伸び率が予測されているものの、汎用雑貨関係については、GDPの成長率通りに伸びないと予測される。一方、TVやエレクトロニクス向けの需要が拡大の見通しであり、COP・COCの需要が継続拡大する見通しである。その他では、透明PAが産業機器やメガネ関係で拡大が示唆されている。光学領域において、ガラス代替や高屈折系ポリマーなどの用途開拓が進んできた関係から、全体に与える影響は軽微だが、成長要因として位置付けられている。

参考文献:「2015年 耐熱・光学ポリマー市場の現状と将来展望」
(2015年08月25日:富士キメラ総研)

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