二輪車向け電装システムの世界市場 市場動向1

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二輪車は、新興国を中心に四輪車に代わる移動手段として普及しており、特に、インド、中国、インドネシア、ベトナムで低価格車を中心に普及率が高くなっている。近年は、各国で施行される二輪車向け排ガス規制の厳格化が進むにつれ、従来のキャブレター(機械式燃料噴射装置)では規制に対応ができなくなりつつあり、四輪車では一般的なフューエルインジェクションシステム(電子制御燃料噴射装置)の搭載が急増している。システムの電装化により電源が確保されたため、今まで無縁だった電装システムが搭載され、二輪車の電装化が加速している。

今回よりシリーズで、二輪車生産量と、二輪車向け電装システムの世界市場をレポートする。本レポートは、世界の二輪車市場を記載する。

■二輪車の世界市場規模予測

単位:千台
 2014年実績2020年予測2025年予測
二輪車合計97,398
(―)
105,830
(108.7%)
117,088
(110.6%)
内燃式二輪車57,742
(―)
構成比
100%
64,612
(111.9%)
構成比
100%
74,822
(115.8%)
構成比
100%
 モペッド2,2093.82,3083.62,6633.6
小型自動二輪車39,26968.043,18566.849,92666.7
中型自動二輪車14,25924.716,61525.719,46126.0
大型自動二輪車2,0053.55,5043.92,7723.7
電動式二輪車39,656
(―)
構成比
100%
41,218
(103.9%)
構成比
100%
42,266
(102.5%)
構成比
100%
 電動バイク38,20796.338,91394.439,45093.3
電動自転車1,4493.72,3055.62,8166.7
※2020年(  ):2015年比、2025年(  ):2020年比
※モペッド:原動機付自転車(総排気量50cc以下)、小型自動二輪車:総排気量51cc~125cc、中型自動二輪車:総排気量126cc~250cc、大型自動二輪車:総排気量256cc以上
富士キメラ総研推定

2014年の内燃式二輪車と電動式二輪車を合算した二輪車世界市場は、9,739万8,000台であった。二輪車市場は、中国における電動式二輪車需要と、インド、東南アジアにおける小型自動二輪車需要が高い。一方、日本、EU、NAFTAは、大型自動二輪車の生産・販売地域となっている。

2015年はインドネシアをはじめ、東南アジアにおける二輪車需要が低迷しており、小型自動二輪車市場が減少推移になる見通しである。電動式二輪車は、中国需要が大半を占めるが、近年は電動バイク、電動アシスト自転車が日本・EU・NAFTAで増加傾向にあり、同地域では高付加価値な大型自動二輪車と、環境負荷の低い電動式二輪車の市場が今後拡大する見通しである。

■二輪車エリア別生産台数(2014年)

単位:千台
 二輪車合計内燃式二輪車電動式二輪車
 モペッド小型自動二輪車中型自動二輪車大型自動二輪車 電動バイク電動自転車
W/W合計97,39857,7422,20939,26914,2592,00539,65638,2071,449
日本1,0755957631933954801479
EU1,37965514611342354724210514
NAFTA7476926897109418552035
アジア地区(日本除く)90,84852,4581,86437,16912,80162438,39037,969421
 中国56,23918,9051,39912,7624,7261837,33436,940394
インドネシア7,9247,924-6,7761,09355---
タイ1,8411,841-1,234416191---
インド18,81818,49826213,2424,77222232031010
ベトナム3,5732,852451,3811,3923472170417
その他アジア2,4532,4381581,7744021041515-
ブラジル1,5201,517325927571363-3
その他地域1,8291,825231,267457784-4
富士キメラ総研推定

内燃式二輪車の生産は、日本以外のアジア地域で小型自動二輪車が大半を占める。特に、インド、中国、インドネシアの3拠点が小型自動二輪車の主要生産地域となっている。

中国では内燃式二輪車よりも電動バイクがエントリーモデルとして広く普及している。内燃式二輪車の中国需要は今後減少に向かうと予測され、インド、東南アジア地域が主要生産地域になる見通しである。

日本、EU、NAFTAは大型自動二輪車の生産に注力しており、大型自動二輪車市場の過半数を、3地域が占める。日本・EUでは、電動アシスト自転車が都市部を中心に成長し、次世代製品として電動式二輪車の注目が高まっている。

■二輪車タイプ別生産動向

 2014年
生産台数
 
モペッド
(原動機付自転車)
220万9,000台二輪車需要が拡大しているアジアを中心に市場が成長している。モペッドは他の内燃式二輪車と比べて機動性に劣るものの安価であり、モータリゼーションを迎えていない地域の低所得者層を中心に普及している。
小型自動二輪車3,926万9,000台中国とインド、東南アジアが主要な需要先となり、2014年の世界市場は内燃式二輪車全体の67.5%を占める。2015年は、中国、インドネシアをはじめとする東南アジアが減少しており、今後前年比微減で推移する見通しである。
中型自動二輪車1,425万9,000台インドと中国での現地生産が多く、この2カ国における生産台数は全体の66.6%を占める。今後もインドや東南アジアをはじめとして、バングラデシュや南アフリカなどの新興国などでも増加していくことが予測される。
新興国ではインフラ整備が不十分であるため、工場が整備されているインドからの輸入販売が想定され、インドでの生産ウェイトが今後も拡大していくとみられる。
大型自動二輪車200万5,000台2014年は、NAFTA、EU、日本での生産台数が全体の58.2%を占めている。
当該二輪車は、他タイプの二輪車と比較して高価であり小型四輪車と同等の価格帯であるため、二輪車愛好家によって支えられている市場である。新興国では、所得が増加した若年層の人気を集めている。
電動式二輪車3,965万6,000台中国では、電動バイクの分類を自転車扱いとしており、免許制度や交通ルール、ヘルメット着用の義務などがない。また、都市部での内燃式二輪車の規制やナンバープレート制限など、電動バイクに対して優遇処置を敷いたことが急速な普及につながった。近年、中国国内で鉛蓄電池の規制や国内需要の頭打ちを受けて市場成長率が鈍化しており市場の停滞感が伺える。
ベトナム市場は2007年~2008年にかけて、中国の低価格な電動バイクが流入したが品質の粗悪さから一時的に市場が縮小した。その後、台湾製とベトナム製に人気がシフトし、市場が回復し、さらに2013年から日本のテラモーターズがベトナムで生産開始するなど、今後も伸長が期待される。
電動バイク市場の活路としては、アジアやアフリカ、南米などの新興国への普及が今後期待されている。
富士キメラ総研推定

参考文献:「二輪電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2015」
(2015年09月28日:富士キメラ総研)

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