産業用高機能繊維の世界市場 市場動向2

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今回は、産業用高機能繊維の用途別需要動向をレポートする。

■高機能繊維用途別需要規模(2014年):総需要190,000t
新エネルギー(シェールガス、風力発電、潮力発電、燃料電池等)が世界各国で推進される中、ガスタンクなどの圧力容器や風力発電ブレードなどの発電機材としてPAN系炭素繊維の採用が増加しており、エネルギー・蓄電デバイス分野は4万t弱と最大のマーケットを形成している。産業機械・設備関連は、高機能繊維として歴史の長いパラ系アラミド繊維が幅広いシーンで採用され、耐熱性、難燃性に優れたメタ系アラミド繊維なども産業用フィルターなどで使用されるなどまとまった市場が形成されている。航空・宇宙・海洋・軍需分野と自動車分野においては同程度の市場規模となっている。同分野では低燃費推進に向け構造の軽量化が実現可能なPAN系炭素繊維の採用率が高まり、市場を牽引している。建築分野ではコンクリートや軟弱地盤の強度向上、スポーツ用品分野においてはパフォーマンス性の向上などで高機能繊維が採用されている。また、工場作業着などのユニフォームや消防服などの特殊衣料などでも安定した需要が形成されている。

■高機能繊維主要分野用途別市場動向

1.エネルギー・蓄電デバイス分野
品目2014年
実績
2016年
予測
2014年比用途
高機能繊維38,700t46,700t120.7% 
PAN系炭素繊維15,900t21,100t132.7%シェールガス用搬送容器(輸送用タンク)、風力発電機翼(ブレード)、潮力発電機翼、燃料電池(ガス拡散層、高圧水素ガスタンク)、蓄電用フライホイール、NAS電池
PPS繊維10,900t12,700t116.5%火力発電所用バグフィルター
生分解性繊維8,300t8,900t107.2%シェールガス採掘用途(フラッキング用プロッパント)
PTFE繊維1,700t1,900t111.8%バグフィルター(石炭火力発電所など)
その他1,900t2,100t110.5%メタ系アラミド繊維:変圧器(メガソーラー等)
ステンレス繊維:ガス、石油精製フィルター
富士経済推定


2.産業用機械・設備・工程材料分野
品目2014年
実績
2016年
予測
2014年比用途
高機能繊維37,000t41,500t112.1% 
パラ系アラミド繊維17,400t20,000t114.9%ゴム補強材(伝動ベルト、ホース等)、産業用摩擦材、ガスケット、FRP、防刃手袋、繊維製荷役スリング
メタ系アラミド繊維8,300t8,900t107.2%バグフィルター、絶縁シート(モータ、変圧機)、工業用フェルト、フィルター
PAN系炭素繊維2,900t3,300t113.8%静電部品(ATM部品、ICトレー、エンボスキャリアテープ)、動部品(ギア、軸受け、ベアリングリテーナー)、HDD部品
超高分子量PE繊維2,500t2,700t108.0%耐切創手袋、獣害防止ネット
アルミナ短繊維1,900t2,300t121.0%製鉄用断熱材
その他※4,000t4,300t107.5%PTFE繊維:バグフィルター(ゴミ焼却炉)、摺動材、ケーブル、パッキン、脱気膜、フィルター(液体ろ過、ガス精製、HEPA/ULPAフィルターなど)
※その他繊維:LCP繊維、PBO繊維、PPS繊維、PTFE繊維、フェノール系繊維、GPCF、HPCF、活性炭素繊維、アルミナ長繊維、ステンレス繊維、びびり繊維
富士経済推定


3.航空・宇宙・海洋・軍需分野
品目2014年
実績
2016年
予測
2014年比用途
高機能繊維33,000t38,700t117.3% 
パラ系アラミド繊維14,700t16,200t110.2%防弾着、海洋ロープ(係留ロープなど)、マリンホース(海上タンカーと石油備蓄基地施設等の間の送油に使用されるゴム製のホース)、航空機部材
PAN系炭素繊維11,500t14,800t128.7%航空機(一次、二次構造材)、通気口パネルなどの内装材、宇宙用途
超高分子量PE繊維5,100t5,800t113.7%船舶用係留ロープ、軍需用途
その他※1,700t1,900t111.8% 
※その他繊維:メタ系アラミド繊維、LCP繊維、PBO繊維、フェノール系繊維、HPCF、活性炭素繊維、CFRP、CFRTP
富士経済推定


4.自動車分野
品目2014年
実績
2016年
予測
2014年比用途
高機能繊維32,700t39,200t119.9% 
パラ系アラミド繊維15,100t17,000t112.6%タイヤコード、ブレーキバッドの摩擦材、ゴム補強材(伝動ベルト、ホース等)
アルミナ短繊維7,600t9,300t122.4%排ガス処理装置の触媒コンバータ用の把持材、DPF(ディーゼルエンジンから排出される黒鉛などの微粒子を浄化する装置)のサポートマット
PAN系炭素繊維5,800t8,300t143.1%骨格・構造部品(キャビン、モノコック、各種フレーム等)、外板部品(フード、ルーフ、トランク、ドア等)
メタ系アラミド繊維1,800t2,300t127.8%ホース、伝動ベルト、絶縁シート(モータ)
その他※2,400t2,300t95.8%CPCF: ブレーキなどに使用する摺動材・摩擦材、音断熱材、複合材料、エンジン部品
※その他繊維:PPS繊維、PTFE繊維、フェノール系繊維、GPCF、HPCF、活性炭素繊維、導電性繊維、ステンレス繊維、びびり繊維
富士経済推定

参考文献:「2015 高機能繊維関連技術・市場の現状と将来展望」
(2015年11月06日:富士経済)

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