リチウムイオン二次電池材料の世界市場 市場動向1

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スマートフォンの市場拡大により高容量のリチウムイオン二次電池が指向されている。ミドルレンジ・ローエンド材料は中国勢や韓国勢の存在感が大きい。ハイエンド材料は、韓国勢・中国勢の技術進歩も著しいものの、日系メーカーの優位性はまだ高い。またEV市場の拡大を受けて車載用リチウムイオン二次電池材料が市場拡大傾向にあり、日系企業間の競争が増加している。今回は、リチウムイオン二次電池材料の市場動向を2回に分けてレポートする。

■電池材料世界市場におけるリチウムイオン電池材料の位置付け
高機能繊維の機能別分類
 2014年実績構成比2019年予測構成比2014年比
 合計1兆279億円100%1兆4,367億円100%139.8%
 一次電池材料市場1,158億円11.3%1,167億円8.1%100.8%
 二次電池材料市場9,121億円88.7%1兆3,200億円91.9%144.7%
 アルカリ二次電池材料1,022億円9.9%1,057億円7.4%103.4%
 リチウムイオン電池材料8,099億円78.8%1兆2,143億円84.5%149.9%
富士経済推定

一次電池市場は中期的に微増で推移すると予測される。一次電池市場自体が成熟市場であり、またアルカリマンガン乾電池や二酸化マンガンリチウム電池(シリンダ・コイン)など市場拡大を遂げるものもあるが、単価の下落から一次電池材料の金額ベース市場は大きくは拡大しない。二次電池市場は鉛蓄電池など成熟市場が引き続き堅調に推移し、リチウムイオン二次電池(シリンダ、車載専用、ESS/UPS・バックアップ電源用)の利用拡大により、二次電池材料市場は大幅に拡大すると予測される。

■リチウムイオン二次電池材料世界市場
 2014年実績2019年予測2014年比
合計8,099億円1兆2,143億円149.9%
正極活物質3,644億円5,035億円138.2%
負極活物質890億円1,324億円148.8%
電解液820億円1,427億円174.0%
セパレータ1,305億円2,270億円173.9%
その他※1,440億円2,087億円144.9%
※その他:バインダ、集電体、外装材、導電助剤などである。富士経済推定

リチウムイオン二次電池材料は正極活物質、負極活物質、電解液、セパレータが主要材料といわれ、この4材料で市場の80%以上を占める。2014年は中国でのEVやPHVの販売拡大によるリチウムイオン二次電池需要の増加で、材料市場が前年比42.5%増と急拡大した。車載用電池はアプリケーション1台あたりに搭載される電池の容量が大きく、使用される材料の量も多くなるため、EV、PHV、HVなど電動自動車の普及がリチウムイオン二次電池材料の市場拡大に大きな影響を与えた。今後も車載用電池を中心としたリチウムイオン二次電池の需要増加により、材料市場は拡大を続け、欧州で2017年以降にPHVラインアップの拡充が予想され、市場は2018年に1兆円を突破すると予測される。

■リチウムイオン二次電池材料正極活物質市場
 2014年
実績
2019年
予測
2014年比主要用途
合計3,644億円5,035億円138.2% 
コバルト酸リチウム
(LCO)
1,846億円1,887億円102.2%角型、ラミネート型電池
三元系
(NMC)
1,045億円1,785億円170.8%シリンダ型電池
マンガン酸リチウム
(LMO)
182億円286億円157.1%車載用電池
ニッケル酸リチウム
(LNO/NCA)
322億円736億円228.6%車載用電池
リン酸鉄リチウム
(LFP)
249億円341億円136.9%車載用、ESS用電池
富士経済推定

高容量電池を必要とするスマートフォンやタブレットPCの予想以上の市場拡大とコバルト価格の安定によりLCO復権の動きが目立っている。LCOからNMCへのシフトを見越してLCOの生産から撤退した会社が再度参入の意欲を示している。車載用電池はLMOを中心にNMCやLNO/NCAを混ぜたり、NMC単体で使用したりといった傾向に大きな変更はないものの、LMOとNMCのブレンドにおけるNMC比率の増加なども含めて、NMCの採用比率が徐々に高まっていくと見られる。

■リチウムイオン二次電池材料負極活物質市場
 2014年実績2019年予測2014年比
負極活物質890億円1,324億円148.8%
富士経済推定

車載用・小型民生用電池の需要が増加する中で、負極活物質の数量ベース市場規模も拡大した。2014年は特に中国でのEV市場の急速な発展に伴い中国生産が大幅に拡大、市場規模を大きく押し上げた。また、機器の高容量化要求からシリコン系やスズ系の合金系負極を採用する動きが進んでいる。

■リチウムイオン二次電池材料電解液市場
 2014年実績2019年予測2014年比
電解液820億円1,427億円174.0%
富士経済推定

スマートフォンやノートブックPCにおけるラミネート型電池の採用が増加する中で、当該市場もラミネート型電池向けが中期的にも増加傾向にある。またEV市場の拡大により車載専用タイプやTesla社が採用しているシリンダ型の市場も拡大していくと見られる。

■リチウムイオン二次電池材料セパレータ市場
 2014年実績2019年予測2014年比
セパレータ1,305億円2,270億円173.9%
富士経済推定

小型民生用電池の容量ベースの大幅な市場拡大により、当該市場は大幅に拡大した。また車載用電池の市場拡大に伴い、今後も市場の拡大が見込まれる。セパレータに無機物(高純度アルミナや板状ベーマイト)をコーティングすることで強度を高めたコーティングセパレータの構成比が増加している。

参考文献:「2015 電池関連市場実態総調査 下巻」
(2015年10月30日:富士経済)

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