光通信関連装置・デバイスの世界市場 市場動向2

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2014年から2015年にかけてのワールドワイドにおける光通信関連市場は、中国を中心としたFTTx、米国企業を中心としたデータセンター需要、日本、韓国を中心としたワイヤレスネットワークの光化進展が順調に推移してきた。

FTTxは中国や日本、韓国などの東アジア、北米、欧州が需要の中心となっている。特に中国は2014年末時点で5,000万加入を超えており2018年頃まではFTTx関連の投資が継続するとみられる。2018年までは中国を中心にFTTx関連機器の市場は拡大するが、先進国では新規加入が鈍化するため、インドをはじめとした新興国でのFTTx向け投資の活発化が期待される。

データセンターはGoogleやAmazonなど北米系のOTT(Over The Top)と呼ばれるデータセンター関連事業者向けが好調である。データ量の増加に伴い40G/100G伝送の導入が加速しており、対応した機器の需要が伸びている。ネットワークのグローバル化により、トラフィックが多い地域に近い場所へのデータセンター設置が進んでいるため、北米以外の地域の需要も増えている。

ワイヤレスネットワークはLTEの普及に伴い、LTE基地局向けのワイヤレスバックホールおよびフロントホールの光化に伴う需要が増加している。特に日本や韓国などでは次世代LTEの設備投資が始まっており、今後は第5世代携帯電話へ向けた基地局投資も活発になるとみられる。

今回は、FTTx、データセンター、ワイヤレスネットワークの地域別の需要動向を解説する。

■FTTx、ワイヤレスネットワーク、データセンターの地域別の需要動向

地域FTTxワイヤレスネットワークデータセンターのインフラ
北米CATV網の発展とその光化の進展光化に地域格差ありデータ量増大による光化進展
OTTデータセンターの拡大
欧州光化に地域格差あり
(ロシア・北欧は堅調)
光化に地域格差あり堅調な市場推移
OTTの建設増加
アジア光化に地域格差あり
(中国でG-PON継続拡大)
韓国、中国が先導今後の成長に期待
日本ピークが過ぎ、市場は衰退傾向次世代LTEにより光化進展今後の成長に期待

■通信インフラにおける主要地域の光化動向
1.北米市場
項目概要
市場全般Verizon、AT&T等の大手通信キャリアが市場の中心である。データセンターは米国企業が中心であるが、設置場所は世界各地に拡散している。Googleが1Gサービスを展開したことで北米では、CATV事業者、テレコム事業者、Googleの三つ巴となった。
FTTxFTTx加入者数は2014年に1,430万加入者数となった。世帯普及率は11.0%である。同市場ではFTTxが中心である。CATVの光化が進み、CATV事業者(Comcast、Time Warnerなど)が提供するブロードバンド・インターネットサービスの加入者増加し、テレコム業者(AT&T、Verizonなど)が扱っているFTTxの加入者獲得に苦戦している。
携帯電話基地局VerizonとAT&Tが共に1億人を超える加入者を獲得している。2014年4G携帯電話基地局の建設が始まっているが、普及は地域的にばらつきがある。Verizonは2016年には米国国内において、5Gの現場試験を開始すると発表している。
データセンターデータセンターの統合が進み、センター数は減少するものの、総床面積は増加している。2014年のデータセンター関連サービス市場規模は、5兆円でワールドワイドのシェアは44.6%を占めている。光関連部品の需要が高く、40G/100Gトランシーバーが本格的に採用されている。

2.欧州市場
項目概要
市場全般欧州系通信キャリアは欧州内に限らず、グローバル展開(投資)をしている。グローバル展開のためには、陸上系バックボーン、メトロ系、海外と結ぶための光海底ケーブルへの投資が必要である。
FTTxFTTx加入者数は2014年3,110万加入者数、世帯普及率13.1%である。累積加入者数は北米や日本を抜いたが、半数近くをロシアで占めている。ロシア以外ではフランスの加入者数が多い。光化率では北欧やバルト3国など北部地域が高い。英国やドイツはネットワークの光化率が低くFTTxの加入者数も少ない。欧州のFTTxは圧倒的にFTTB+LAN subscribersの比率が高い。これは、都市部の集合住宅の加入者が多いためである。
携帯電話基地局欧州では世界に先駆け4GLTE携帯電話基地局の建設が始まったが、地域は限定的である。英国のVodafoneが加入者数4億人を超えている。欧州の他にアジアやアフリカでもサービスを展開している。また、スペインのTelefonica SAやノルウェーのTelenorが共に加入者数2億人を超えている。それぞれ中南米やアジアにも展開している。
データセンター2014年のデータセンター関連サービス市場規模は、3兆5,000億円でワールドワイドのシェアは31.2%を占めている。同年に40G/100Gトランシーバーの導入が始まった。北欧やロシアなどに多くのデータセンターが建設されている。これは、土地が安価で温度対応がしやすい為と言われている。また、近年はOTTを中心にアイルランドにデータセンターを設立ケースが多くなっている。これは、アイルランドがロンドンに近く、大西洋の対岸の米国東海岸にも比較的近いためである。

3.アジア市場(日本除く)
項目概要
市場全般中国大手キャリアは国内が中心のサービス展開である。機器ベンダーはHuawei、ZTEなど光伝送装置関連で世界市場で高いシェアを占めている。アジア地域の基地局用の光トランシーバーは1.25G、2.5G、10Gが混在している。
FTTxFTTx加入者数は2014年に7,330万加入者数で世帯普及率は15.6%である。その内約7割がFTTB+LANである。中国のFTTx加入者数は2014年に5,460万加入者数となっており、全体の75%に近い。2013年より新たな5カ年計画でブロードバンドを強化しているため、加入者数も当面伸びるとみられる。中国以外では、韓国が1,290万加入者数となり、1,000万加入者数を超えている。光化率では、香港、シンガポール、台湾なども高い。東南アジアは130万加入者数と低いが、シンガポールの他マレーシアも積極的にインフラ投資を行っている。
携帯電話基地局韓国の4G基地局への投資が進んでいる。2018年冬季「平昌オリンピック」に向けてプレ5Gサービスを開始する計画もある。中国は世界最大の携帯電話加入者数を有している。通信キャリアでもChina Mobilehは、2015年1月にLTE加入者数が1億人を超えた。2015年末には3億人に届く見込みである。中国におけるLTE基地局は1.25G、2.5G、10Gが混在している。
データセンター2014年のデータセンター関連サービス市場規模は、7,900億円でワールドワイドのシェアは7.0%を占めている。光化は遅れており、10Gトランシーバーが中心である。データセンター事業者は、日系や北米系の事業者が多い。しかし、最近はローカル事業者も増えてきている。中国では政府の後押し、クラウドサービスの進展による需要拡大など、依然として潜在性は高い。インドでは、ECサイトの拡大により、ホスティングサービス需要が増加している。シンガポールでは、政府の施策に基づき、堅調にセンター数が増加している。

4.日本市場
項目概要
市場全般日本国内市場は、携帯電話の新サービス「PREMIUM 4G LTE-Advanced」や5Gへ向けての開発で先行している。一方、データセンターでの光化は遅れており、ようやく40Gトランシーバーの供給が始まった状況である。
FTTx日本のFTTx加入者数は2014年に2,790万加入者数となった。世帯普及率は53.7%で世界トップである。ここ1~2年は新規加入者数が横ばいである。10G-PONの開発が進みトライアルが行われているが、用途は不明である。
携帯電話基地局日本では、LTE化が進み、LTE基地局も多く設置されている。さらにNTTドコモは2015年から最大225MbpsのLTEサービス「PREMIUM 4G LTE-Advanced」が始まっている。2015年~2016年は上記サービス向けのC-RAN設備やキャリアアグリゲーションなどの基地局投資や既存基地局のアップグレード投資も行われる。また5G向けには、二段階の投資が見込まれている。第一段階は2020年「東京オリンピック」に向けた疑似5Gへの投資であり、2018年頃からサービスが開始される。第二段階は2022年頃導入予定の本格的な5Gに向けた投資であり、これは2020年頃から開始される見込みである。
データセンター2014年のデータセンター関連サービス市場規模は、1兆5,641億円でワールドワイドのシェアは14.0%を占めている。光化は遅れており、ようやく40Gトランシーバーの供給が始まった。日本では、NTT、KDDIなどのキャリア系データセンターと富士通、NECなどのSI事業者系データセンターに二分される。事業者系データセンターは、海外事業にも積極的であり、クラウド化が進んでいる。

参考文献:「2015 光通信関連市場総調査」
(2015年10月15日:富士キメラ総研)

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