次世代自動車関連マテリアルの世界市場 市場動向1

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自動車関連メーカーはこれまでも、燃費規制や環境負荷物質の排出規制を満たした自動車を製造するために、さまざまな技術開発を継続してきた。現在、燃料/資源の消費量とCO2に代表される環境負荷物質の低減のため、現在世界各国で自動車に対する燃費規制が強化されている。

最新の燃費規制を満たすため、自動車関連メーカーはさまざまな取り組みを行っているが、その中の一つで、かつ注目度が高いものとして、HV/PHV/EV/FCVといった燃費が大きく改善される次世代自動車の開発や車体の軽量化、自動車部品の小型軽量化などが挙げられる。そのために次世代自動車の主力部品であるバッテリー、モーターなどのさらなる性能向上や低価格化が要求されており、新たな材料や製造方法の検討が行われている。

今回は、次世代自動車における主力部品に関連する材料動向や、既存の自動車部品の小型軽量化に寄与する材料動向および既存の自動車部品の材料使用動向について、ワールドワイドでの現状と今後の展望を3回シリーズで解説する。

■自動車生産量の世界市場予測
単位:千台
 2015年中期予測
2020年
長期予測
2025年
世界生産量 88,330100,840117,610
乗用車66,38078,30094,6700
トラック/バス他21,95022,54022,940
次世代自動車※
世界生産量に占める割合
2,380
2.7%
5,640
5.6%
10,980
9.6%
※次世代自動車:HV/PHV/EV/FCV富士キメラ総研推定

環境性能を向上させた次世代自動車は、各国における燃費規制の向上や次世代自動車の普及策、車両価格の低下、環境やガソリン消費に対する意識が高いユーザーの製品認知度が向上したことにより、安定して市場が拡大している。

その一方で、次世代自動車よりも、低燃費性能を向上させたガソリン/ディーゼル車を好むユーザーが各地域に少なからず存在していることもあり、次世代自動車の普及状況には地域的な偏りがある。特にEUでは、地場の自動車メーカーがこれまでクリーンディーゼルやダウンサイジングコンセプト採用車両への技術開発に注力してきたことから、次世代自動車の普及はやや伸び悩みをみせていた。

現在、HVやPHVはトヨタを中心に積極的に製品を投入している日本や米国西海岸、またEVは政府が強力な普及策を推進している中国を中心に市場が拡大している。今後は、現在も普及が進む地域での販売台数増加に加え、徐々に他の地域でも認知度の向上に伴い普及していくと予想される。


■自動車の材料関連技術の進展による重量変化と次世代自動車部品材料市場予測
1.自動車の重量と材料変化
2015年車格別平均仕様(現状)
車格エンジン排気量車両の重量ボディの重量エンジンの重量エンジン周り材料ボディ周り材料
小型1.0~1.5ℓ1,000㎏未満250~300kg50~120kg比較的安価な材料を使用しつつ、必要最低限の範囲でアルミ合金を採用。比較的安価な材料を使用しつつ、必要最低限の範囲で高張力鋼を採用。
中型1.5~3ℓ1,000~1,500㎏未満350~500kg120~200kgアルミ合金を中心に、PA66などを使用。高張力鋼の採用量拡大
大型3ℓ以上1,500㎏以上600~1,000kg200kg以上マグネシウム合金の採用が一部で進展。アルミ合金の採用事例が登場。
 
2025年車格別平均仕様(予測)
車格エンジン排気量車両の重量ボディの重量エンジンの重量エンジン周り材料ボディ周り材料
小型1.0~1.5ℓ800kg未満200~270kg45~100kg未満アルミ合金、樹脂の使用量増加が予想される。高張力鋼やアルミ合金の使用量が拡大。
中型1.5~3ℓ800~1,300kg未満280~450kg100~160kg未満アルミ合金、樹脂の使用拡大とともに、マグネシウム合金の使用例増加。アルミ合金の使用事例がさらに増加。
大型3ℓ以上1,300kg以上300~800kg160kg以上アルミ合金や樹脂をベースにマグネシウム合金の使用も一般化。アルミ合金使用が一般化し、一部ではCFRP採用。
富士キメラ総研推定

車両重量は、中期的に見て現在よりも平均して15~20%程度減少すると見込まれる。ボディは、アルミ合金やCFRPの採用が進展し、エンジン部品についてもシリンダーヘッドやシリンダーヘッドカバーなど重量の大きい部品でアルミ合金化やマグネシウム合金化が進展していくと見られる。

材料の変更には、高価格化や強度を含む仕様の低下というリスクもあるが、今後強化され続ける各地域の燃費規制を満たすために、自動車メーカーはリスクを低減するための技術開発を継続的に行われていく。また材料の変更以外に、製造方法の改良を加えることで、薄肉軽量化を図る動きも強まっており、今後着実に軽量化は進展していくと見込まれる。

2.次世代自動車部品材料市場予測(16品目)
 2015年実績中期予測
2020年
長期予測
2025年
市場規模3,458億円8,743億円1兆5,467億円
2015年比2.52倍4.47倍
2020年比1.77倍
富士キメラ総研推定

次世代自動車部品材料(16品目)
1.ネオジム焼結磁石 2.レアアースフリー磁石 3.モーターコア(電磁鋼板) 4.リチウムイオン二次電池用正極材 5.リチウムイオン二次電池用負極材 6.リチウムイオン二次電池用電解液 7.リチウムイオン二次電池用セパレーター 8.リチウムイオン二次電池用外装材 9.キャパシター用電極材 10.キャパシター用電解液 11.キャパシター用セパレーター 12.燃料電池用固体高分子膜 13.燃料電池用空気/燃料極(正極/負極) 14.燃料電池用白金/他触媒 15.燃料電池用セパレーター 16.SiC
次世代自動車構成部品材料(16品目)は、HV/PHV/EV/FCVなど次世代自動車の燃費や環境負荷を大きく低減させる主要部品に使用される材料である。各国政府の環境規制やユーザーニーズの高まりにより、次世代自動車の販売台数が着実に拡大していることから、次世代自動車に使用される材料も市場を拡大している。普及のために単価の低減を目指した技術開発が続けられているが、次世代自動車の市場規模拡大に伴い、今後2025年まで年平均成長率16.2%の割合で拡大していくものと予測される。

参考文献:「2016 次世代自動車関連マテリアル総調査」
(2016年01月08日:富士キメラ総研)

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