次世代自動車関連マテリアルの世界市場 市場動向3

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■自動車部品における注目材料(19品目)の市場規模予測
 
 2015年実績中期予測
2020年
長期予測
2025年
対象材料
(注目材料19品目)
合計9兆7,940億円12兆4,450億円14兆7,294億円 
鉄鋼5兆9,967億円7兆2,078億円8兆413億円高張力鋼(500MPa未満)、高張力鋼(500MPa以上)、ホットスタンプ材
非鉄金属1兆8,857億円2兆8,153億円3兆7,160億円アルミ合金、マグネシウム合金チタン、白金
樹脂1兆7,276億円2兆2,129億円2兆7,383億円CFRP、PC、PP、ABS、耐熱PA、PPS、オレフィン系エラストマー
その他1,840億円2,090億円2,338億円メッキ代替フィルム、カーボンナノチューブ、セルロースナノファイバー、ポリ乳酸/バイオポリエステル、断熱/吸音材
富士キメラ総研推定

鉄鋼類は、車体の軽量化を進めるにあたり高張力鋼の採用により、薄型化が図られ10%~20%の軽量化効果がある。2015年の生産台数に占める普通鋼と高張力鋼の比率は同程度と見られる。欧米の自動車メーカーは、高張力鋼からホットスタンプ材の採用を促進させている。

非鉄金属類は、車体パネルでアルミ合金、グリルやバンパーでマグネシウム合金が採用されている。マグネシウム合金は、EU自動車メーカーがトランスミッションハウジングでアルミ合金から代替している。今後エンジン部品での採用が増加すると見られる。FCVの生産拡大によりチタンや白金の利用が増加する。

樹脂は、成形コストが安価で金属に比べて価格が安定している。内装材が主体であったが、アルミ合金の代替としてエンジン部品で利用が増加している。(ABS、PC、PA、PPS)


■自動車部品における注目樹脂材料(7品目)の市場規模予測
 
 2015年
実績
中期予測
2020年
長期予測
2025年
採用部品
合計1兆7,276億円2兆2,129億円2兆7,383億円 
PP
(ポリプロピレン)
1兆305億円1兆2,656億円1兆5,532億円バンパー、インパネ、ドアトリムパネル
ABS樹脂2,479億円2,933億円3,472億円内装部品、フロントグリル、ホイールカバー
PC
(ポリカーボネート)
2,025億円2,135億円2,351億円ヘッドランプカバー、ドアハンドル、グリル、インパネ、コンソールボックス
オレフィン系
エラストマー
1,092億円1,536億円1,726億円シーリング材、内装表皮材
耐熱PA615億円679億円758億円エンジン部品、コネクター、各種ギア
PPS
(ポリフェニレンサルファイド)
586億円852億円1,259億円エンジン部品(オルタネーターブラシホルダー)
CFRP
(炭素繊維強化プラスチック)
174億円1,338億円2,285億円ボディ、プロペラシャフト
富士キメラ総研推定

PP
(ポリプロピレン)
PPは、軽量で物性バランスに優れるため自動車向けで最も使用されている樹脂であり、樹脂化が進んでいるEUでは1台当たり約70kg、日本やNAFTA、中国においては50kgほどが使用されている。
用途は、現在バンパーやインパネ向けに採用量が多い樹脂であり、バッテリーケースやバックドアなど新規用途の立ち上がりもみられるが当面は自動車の生産台数に比例して市場が拡大するとみられる。
また、車外騒音規制が厳格化しフェルト製吸音材の需要が増す中で、疎水性を増すためにPP繊維を配合するケースもあり、その用途は拡大している。
ABS樹脂ABSは、自動車1台当たり10kg前後が用いられている。コンソールボックスやセンターパネルを中心とする内装部品向けの採用が多い。また発色性および成形性に優れることから、デザイン志向の欧米において特にハイエンド車種向けでの採用量が多い。
今後は、新興国市場における自動車部材の樹脂化が進むことで、可処分所得増加により車内外のデザイン性が重視されるようになると当該市場におけるABSの使用量が増加すると予測される。
PC
(ポリカーボネート)
PC単体は、ヘッドランプカバーとグレージングであり、インパネやドアハンドルではPC/ABS、PC/PBT、PC/PETといったアロイ品が採用されている。今後もインパネ用途でABSからPC/ABSアロイへのシフトが見込まれ、インパネや内装関連で利用が拡大する。
グレージング用途は、現状ハードコート性能に起因して耐摩耗性が弱いこと、価格が高いことから高級車の一部に採用が限定されている。グレージングはリアガラス、サイドリアガラス、ルーフで採用されているものの、現在はルーフでの採用が圧倒的に多い。
今後ヘッドランプ向けは自動車市場と連動、インパネ向けはPPからPCへのシフトやABSからPC/ABSアロイへのシフト、ミリ波レーダーや車載カメラのカバーでの採用、軽量化を目的としたグレージング需要の拡大により、当該市場は今後拡大していくと推測される。
オレフィン系
エラストマー
当該製品は、PVCやEPDMからのシフトが見込める製品であるものの、PVCからTPVへのシフトは既に一巡しており、安価な自動車では一部PVCへの回帰が起こっている。その一方で、EPDMからの置き換えはEUを除いた全地域で進んでおり、今後も軽量化や低コスト化を目的に、EPDMからのシフトはさらに進んでいくと推測される。
耐熱PA耐熱PAは、エンジンルーム内、コネクター、ギアでの採用が多く、今後も同部位での採用が継続し、耐熱性の面からPA66への低コストを目的とした回帰は起こらないと推測される。またエンジンルーム内の部品点数の増加に伴い、エンジン関連部品の小型化が進むため、小型化と発熱量増加に伴い、耐熱PAの需要拡大につながると推測される。
PPS
(ポリフェニレンサルファイド)
PPSは、エンジンルーム向けを中心に金属代替樹脂として採用が増加している。またエンジンルーム以外にもヘッドランプのリフレクターハウジングなど耐熱性が要求される部位において使用が進んでいる。
PPSの販売数量が最も多いのは日本である。PPSは耐熱PAとの競合がみられ、特にEUにおいては伝統的に耐熱PAの使用が多いことから日系PPSメーカーのEUにおける低価格化戦略がみられる。
CAFE規制をもつ米国など燃費向上を求める国・地域は増加傾向にあり、金属代替による車体軽量化の需要が高まる中で、PPS市場は今後とも堅調に拡大するとみられる。
CFRP
(炭素繊維強化プラスチック)
CFRPは、2013年11月よりBMWのEV、PHVのボディに採用されたことで市場が大幅に拡大した。トヨタは「Lexus LFA」のシャーシやモノコック、日産は「GT-R」「フェアレディZ」のプロペラシャフトに当該製品が採用されている。
BMWでは、2016年に「7シリーズ」に採用され市場が拡大する見通しである。熱可塑性樹脂を使用した短時間サイクル成型が確立されつつあり、BMW以外にもGM、Daimler、Fordが普及車のボディに当該製品を採用する見通しであり、2017年はさらに採用率が高まる見通しである。
当該製品をボディに使用することで車体重量の30%程度軽量化を図ることが可能であり、今後自動車の燃費向上に向けて市場は拡大していくと推測される。
参考文献:「2016 次世代自動車関連マテリアル総調査」
(2016年01月08日:富士キメラ総研)

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