ポリウレタンの原料・製品の世界市場 市場動向1

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ウレタン製品は建材や衣料、家具、自動車、工業資材など幅広い分野で用いられており、中国を中心としたアジア地域の経済成長や、先進国における省エネ需要に支えられて成長を続けてきた。しかし、主要な需要地域である中国経済の失速や、欧州の長期に及ぶ景気低迷により、ウレタン市場の成長にも陰りが見えはじめている。

また、これまでは中国市場の高成長を背景にウレタン業界全般で設備投資が続けられてきたが、一部の製品では市場成長率の低下や新規参入企業の増加により供給過剰を招いており、関連企業は戦略を再構築する必要性に迫られている。

今回は、ポリウレタン製品の原料であるイソシアネートとポリオール、ポリウレタン製品(14品目)を2回に分けてレポートする。

■ポリウレタン原料の世界市場
 
 2015年見込2019年予測2015年比
合計4兆6,659億円5兆2,634億円112.8%
イソシアネート2兆1,174億円2兆4,306億円114.8%
ポリオール2兆5,485億円2兆8,325億円111.1%
富士経済推定

ポリウレタン製品は、原料のイソシアネートとポリオールを混合し反応させたポリマーである。イソシアネートとポリオールの種類が多いことから、製品ごとに様々な原料の組み合わせがある。

■イソシアネートの世界市場
1.世界市場規模予測
 2015年見込2019年予測2015年比
合計2兆1,174億円2兆4,309億円114.8%
MDI1兆2,990億円1兆5,320億円117.9%
TDI4,932億円4,512億円109.3%
HDI2,437億円2,707億円111.1%
IPDI563億円629億円111.7%
H12MDI295億円330億円111.8%
NDI193億円196億円101.2%
TMDI76億円79億円104.8%
TMXDI40億円43億円109.1%
XDI34億円37億円110.7%
H6XDI25億円26億円104.8%
NBDI10億円10億円104.8%
富士経済推定

2.ウレタン製品別採用原料
 MDITDIHDIIPDIH12MDITMDIXDIH6XDITMXDINDINBDI
硬質ウレタンファーム          
軟質ウレタンファーム         
スパンデックス         
TPU(熱可塑性ウレタンエラストマー)    
TSU(熱硬化性ウレタンエラストマー)     
ポリウレタン系塗料   
グラビアインキ       
ウレタン系接着剤     
ウレタン系シーリング゙材         
人工皮革       
合成皮革       
ウレタンビーズ         
CMPパッド          
電子基板用注型材         
◎:主要原料、○:採用原料

MDIは中国での建材、及び工業製品用途の需要鈍化や電気冷蔵庫の生産数量の減少を受け、需要の伸びが鈍化していた。15年以降は中国での金融緩和により住宅・電気機器の個人消費が拡大し、需要の伸びは回復する見込みである。東南アジア、インドでも家電、建築、自動車の各用途で需要増が見込まれ、中国や新興国での需要増が牽引する見込みである。

TDIでも中国は最大の需要国だが、2013年から2014年にかけては景況の悪化と自動車の生産が東南アジア等の新興国へシフトしたことが影響し、需要の伸び率が鈍化した。インドでは中国からシフトされた家具・寝具の生産増加や、自動車生産台数の増加により需要は増加傾向にあるが、世界全体では欧州やロシア・中東等での需要減が影響し、需要の伸び率は鈍化している。

HDIは中国での塗料・コーティング、接着剤の各用途における水系原料需要の増加や、東南アジアにおける食品・日用品向け軟包装材用の接着材やインキ用途向けの需要が市場を牽引している。

■ポリオールの世界市場
1.世界市場規模予測
 2015年見込2019年予測2015年比
合計2兆5,485億円2兆8,325億円111.1%
PPG1兆5,120億円1兆7,100億円113.1%
PEP7,896億円8,628億円109.3%
PTMG2,100億円2,196億円104.6%
PCL136億円145億円106.6%
PBP131億円138億円105.3%
PCD102億円118億円115.7%
富士経済推定

2.ウレタン製品別採用原料
 PPGPTMGPEPPCLPCDPBP
硬質ウレタンファーム    
軟質ウレタンファーム    
スパンデックス   
TPU(熱可塑性ウレタンエラストマー) 
TSU(熱硬化性ウレタンエラストマー) 
ポリウレタン系塗料  
グラビアインキ     
ウレタン系接着剤 
ウレタン系シーリング゙材   
人工皮革 
合成皮革 
ウレタンビーズ     
CMPパッド     
電子基板用注型材    
◎:主要原料、○:採用原料

PPGは市場を牽引してきた中国の景気低迷を受け、市場の伸びが鈍化している。自動車の生産が東南アジアやインド、中南米へとシフトしており、自動車用軟質フォームも現地生産が進んでいることから、これらの地域におけるPPGの需要拡大が期待されている。

PEPは主要用途先である靴底エラストマー、人工・合成皮革、TPU、接着剤の各用途の需要が堅調であるものの、これまで成長市場であった中国の経済低迷が長引くと見られており、今後はポスト中国として東南アジア、インドにおいて需要が拡大していくと予測される。

PTMGも最大の需要地域である中国の経済成長率に減速感がでている。2014年は中国ではこれまで二桁成長を続けてきたスパンデックス用PTMGの需要が伸び悩んだ。2015年はスパンデックスの用途先が拡大傾向にあり、PTMG需要も増加する見込である。

参考文献:「2016 ポリウレタン原料・製品の世界市場」
(2016年01月07日:富士キメラ総研)

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