エレクトロニクス製品向け先端部材の世界市場 市場動向1

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2015年は、TV市場、PC市場が相次いで前年割れとなったが、スマートフォン市場の大幅な拡大によりエレクトロニクス材料の需要も拡大してきた。また、エネルギーエレクトロニクス関連などでは市場拡大が持続している。

2015年度後半からスマートフォン市場が減速しており、今後の先行きが不透明になっている。一方で、カーエレクトロニクスやIoT関連、ウェアラブル端末機器などへの応用展開が進むことで、材料市場が再び大幅に拡大していくことも期待されている。

今回は、OLED(有機発光ダイオード)関連部材、ウェラブル端末関連部材、ウェラブル端末関連部材の先端部材について2回に分けて解説する。


■OLED(有機発光ダイオード)関連部材:世界需要
 2015年2019年予測2015年比
合計9,814億円2兆211億円2.1倍
OLEDディスプレイ9,763億円1兆9,800億円2.0倍
OLED照明48億円360億円7.5倍
耐熱フレキシブル基板3億円51億円17.0倍
富士キメラ総研推定

OLEDディスプレイは大型・中小型ともに拡大基調にある。特に中小型では、2018年ごろから「iPhone」シリーズに採用される見通しであるため、需要増加が期待される。

OLED照明は、まだ採用は限定的であり、市場形成期にあるため、今後の採用増加に伴い右肩上がりの推移が予測される。コストや性能面で改良の余地があり、LED照明とは異なる用途開拓による普及が期待される。

耐熱フレキシブル基板は、スマートフォン「Galaxy Edge」シリーズやOLED照明などで採用が進んでいる。OLEDはフレキシブル化においてLEDなどに対する優位性があるため、継続的な需要拡大が予測される。

■耐熱フレキシブル基板:世界需要
フレキシブルデバイスに使用される耐熱性を持つガラス基板とフィルム基板を対象とする。
 2015年2019年予測2015年比
合計3億円51億円17.0倍
ガラス基板1億円12億円12.0倍
フィルム基板2億円39億円19.5倍
富士キメラ総研推定

2015年時点では、ガラス基板は一部OLED照明用途で実用化されているものの、開発用のサンプル出荷がほとんどである。フィルム基板の素材は大半がPI(ポリイミド)フィルム、一部でPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルムが使用されている。現状、PIフィルム基板はスマートフォン向けのOLEDディスプレイ用途が大半である。PENフィルム基板は有機薄膜太陽電池や電子ペーパーで使用されているが実績は僅少である。

主用途として期待されるOLEDディスプレイは、軽量化や湾曲化ニーズにより徐々に市場が立ち上がりつつある。2018年以降スマートフォンでOLEDディスプレイの採用が増加し、それに伴いPIフィルム基板の需要も増加するとみられる。また、PENフィルム基板は、有機薄膜太陽電池などの市場拡大に伴う需要増加が予想される。

■ウェラブル端末関連部材:世界需要
 2015年2019年予測2015年比
合計330.8億円1,873.1億円5.7倍
ハイバリアフィルム262億円1,750億円6.7倍
CNT・グラフェン68億円122億円1.8倍
導電性高分子0.8億円1.1億円1.4倍
富士キメラ総研推定

ウェラブル端末(スマートウォッチ、スマートバンド、スマートグラス、スマートウェア等)の普及に伴い、注目される部材は、上記のハイバリアフィルム、CNT・グラフェン、導電性高分子の他に圧電フィルム、導電性ゲルシートの採用が期待されている。

■ウェラブル端末関連部材の特徴と用途
品目名特徴主な用途(現状)
ハイバリアフィルム高いバリア性が求められる各種アプリケーションのフレキシブルかが進むにつれ、ガラス基板の代替を目的に採用が進んでいる。TV、タブレット向けQDシート
CI(G)S太陽電池
CNT・グラフェンCNT:軽量かつ高強度/高柔軟性。熱や電気の伝導性が極めて高い。
グラフェン:薄い層で構成され、強靭で誘電性に優れている。
TV、タブレット向けQDシート
LiB用導電助剤、電気二重層キャパシター
搬送用トレー(HGAチューブ)
導電性高分子高い伝導性でフレキシブル化が可能、印刷プロセスに適しているため衣服への採用が期待されている。タッチセンサー
(車載向け)
圧電フィルム柔軟性や加工性に優れており、今後ウェラブル端末での採用拡大が期待される。楽器用ピックアップ
圧力センサー
導電性ゲルシート粘着性に優れ、ヒトの皮膚への刺激が低く密着性がある。生体電極(低周波治療器、心電計他)
富士キメラ総研推定

参考文献:「2016年 エレクトロニクス先端材料市場の現状と将来展望」
(2016年03月23日:富士キメラ総研)


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