微粉体の世界市場 市場動向1

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微粉体は、金属、金属酸化物、セラミックス、ポリマー、その他無機材料・有機材料などにおける主要な供給形態の一つである。粒径サイズ、形状、使用形態、表面処理の有無などが異なる微粉体が幅広く利用されている。

また、使用形態も多様であり、樹脂や塗料・インキなどへの添加・充填、基材への塗布・成膜、粉末冶金をはじめとする焼結・成形、ろ過、研磨など多岐にわたる。さまざまなアプリケーションにおいて、摺動性、耐熱性、強度、靱性、滑り性、意匠性など要求される特性に対応する微粉体が採用されており、高機能化・高付加価値化のニーズが高まるにつれ、微粉体の役割も増し、材料間の競合関係も変化しつつある。

今回は、微粉体の世界市場を2回に分けて解説する。


■微粉体の世界市場
 2016年見込2020年予測2015年比
種類3兆4,656億円3兆8,404億円109.6%
汎用・無機1兆4,956億円1兆6,750億円108.1%
金属7,095億円7,560億円103.3%
金属酸化物236億円257億円110.8%
セラミックス5,111億円5,424億円103.4%
ポリマー6,807億円7,723億円122.5%
その他注目素材451億円690億円162.4%
富士キメラ総研推定

微粉体の世界市場は2016年に3兆4,656億円が見込まれる。微粉体のカテゴリーごとに利用される用途分野が異なり、汎用・無機やセラミックスでは化学・工業・産業分野向けが多いのに対し、金属酸化物やポリマーではライフサイエンス分野が多くなっている。2020年の市場は3兆8,404億円が予測される。

1)汎用・無機
対象品目(6品目)シリカ(結晶・溶融)、フュームドシリカ、活性炭、ゼオライト、炭酸カルシウム、パール粉

汎用・無機の市場をけん引しているのは活性炭とフュームドシリカである。特に活性炭は、先進国で水や大気への規制強化、中国やASEAN諸国など新興国で水処理や大気汚染対策による需要増加で近年高成長し、今後も年率10%程度の成長が期待される。

2)金属
対象品目(9品目)鉄粉・鉄系合金粉、アルミニウム粉、ニッケル超微粉、タンタル粉、銀粉、銅粉、銅超微粉、貴金属粉末(Pt・Pd)、はんだ粉

金属の市場は微増となっている。数量が圧倒的に多い鉄粉・鉄系合金粉が、全体の3割を占める。次いではんだ粉、銀粉、タンタル粉などの高付加価値製品の規模が大きい。

3)金属酸化物
対象品目(4品目)超微粒子酸化チタン、超微粒子酸化亜鉛、光触媒用酸化チタン、酸化セリウム(研磨材)

金属酸化物はサンスクリーン剤など化粧品に利用される超微粒子酸化チタンが過半を占め、市場拡大をけん引している。超微粒子酸化亜鉛は海外での利用機運の高まりにより2016年から2020年にかけ、年率4%超の伸びが予測される。また、光触媒用酸化チタンは既存の外装材用途の安定的な需要に加え、可視光応答型の内装材向けの本格化が注目される。一方、酸化セリウム(研磨材)は縮小する。LCD向けの伸び鈍化と市場の縮小が影響するとみられる。

4)セラミックス
対象品目(7品目)アルミナ、ジルコニア(湿式法)、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、炭化ケイ素、チタン酸バリウム

セラミックスは耐火物や、研磨材など幅広い用途で利用されているアルミナが市場の8割近くを占める。今後はアルミナが微増、チタン酸バリウムが微減となるが、他5品目はいずれも堅調に伸びると予想される。

5)ポリマー
対象品目(16品目)アクリル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリアミド、超高分子量ポリエチレン、PES、その他熱可塑性耐熱微粒子(PPS・PEEK・PAI)、シリコーン、フェノール、ポリウレタン、ベンゾグアナミン・メラミン、フッ素樹脂(低分子量PTFE)、フッ素樹脂(粉体塗料ETFE)、全芳香族ポリエステル・ポリイミド、高吸水性樹脂、ラテックス(診断薬用)

ポリマーはエレクトロニクス、ライフサイエンス、自動車など幅広い用途分野で利用されている。高吸水性樹脂が市場の8割以上を占める。直近ではスクラブ剤をはじめとする化粧品用途において、マイクロプラスチックビーズの利用を禁止する動きが強まっており、2015年12月には米国でそれを含む化粧品の製造・販売を禁ずる法律が成立したことで、一部のポリマーの需要縮小と、代替となる微粉体の開発・検討が進んでいる。

6)その他注目素材
対象品目(6品目)炭素繊維、CNT、グラフェン、フラーレン、高純度コロイダルシリカ、セルロースナノファイバー

その他注目素材は、樹脂添加用の炭素繊維や高純度コロイダルシリカが市場の多くを占めている。CNTやフラーレン、グラフェン、CNFは現状利用が限定的であるが、今後は用途開拓が進み高成長が期待される。

■微粉体の用途分野別市場:2016年見込(富士キメラ総研推定)
化学・工業・産業分野が558万トン、ライフサイエンス分野が237万トン、環境・浄化分野が137万トン、自動車分野が123万トンである。化学・工業・産業分野は樹脂・ゴム添加用途に利用される炭酸カルシウムと、耐火物や研磨材に利用されるアルミナが大部分を占める。ライフサイエンス分野は、衛生材料、化粧品、食品用途で利用される。衛生材料用途が最も多く、次いで化粧品用途が多い。衛生材料用途は、紙おむつや生理用品などの吸収剤、歯科材料、生体適合材料向けなどが挙げられる。化粧品用途は、触感付与材や紫外線遮蔽材として、ファンデーション、口紅、サンスクリーン剤、乳液などに利用される。その他用途は、ゼオライトの土壌改質・改良、洗剤ビルダー、炭酸カルシウムの製紙用で90%以上を占める。

参考文献:「2016年 微粉体市場の現状と将来展望」
(2016年06月03日:富士キメラ総研)


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