大型二次電池の世界市場 市場動向1

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大型二次電池市場は、当初の想定から立ち上がりが遅れ、市場創成期フェーズを継続してきたが、2015年を契機に市場成長期フェーズへと突入した。次世代環境自動車分野向けをはじめとした性能要求水準が高い大型二次電池は、日本メーカーの技術力を活かせる市場として電池メーカーや構成部材メーカーが積極的な研究開発を進めている。

今回は、大型二次電池の世界市場を2回に分けて解説する。


■蓄電デバイス別市場規模:世界市場
 2015年2025年予測2015年比
合計7兆3,906億円
(2兆473億円)
13兆7,895億円
(8兆3,417億円)
186.6%
(4.1倍)
リチウムイオン電池2兆3,996億円
(1兆960億円)
8兆1,656億円
(6兆8,933億円)
3.4倍
(6.3倍)
ニッケル水素電池1,980億円
(1,153億円)
1,980億円
(1,153億円)
99.8%
(112.1%)
電気二重層キャパシタ461億円
(220億円)
795億円
(487億円)
172.5%
(2.2倍)
リチウムイオンキャパシタ5億円
(―)
118億円
(90億円)
23.6倍
(―)
鉛電池4兆7,052億円
(7,728億円)
5兆2,258億円
(1兆1,524億円)
111.1%
(149.1%)
NAS電池296億円
(296億円)
542億円
(542億円)
183.1%
(183.1%)
レドックスフロー電池116億円
(116億円)
549億円
(549億円)
4.7倍
(4.7倍)
富士経済推定
※上記市場は、大型応用分野に加え、小型民生機器分野や汎用電池を含めた全体市場である。
※( )内は、大型用途分野(大型二次電池)の市場規模である。

鉛電池は自動車補機用・産業用等で安定した需要があり、2015~2020年頃までを対象とした蓄電デバイスの中で最大の市場規模となる。一方、成長率ではリチウムイオン電池が高く、同蓄電デバイスは2025年には2015年比約3.4倍の8兆1,656億円に拡大し、2020年前後に鉛電池を抜き、対象蓄電デバイス中で市場規模が最大となる。

また2020年頃から、電力貯蔵分野においてNAS電池、レドックスフロー電池のさらなる台頭が期待されており、2025年時点で当該蓄電デバイスを合わせ約1,091億円の市場を形成すると予測される。

電気二重層キャパシタ及びリチウムイオンキャパシタは、2020年前後からISSVを中心とした次世代環境自動車分野で市場が拡大し、2025年時点で当該蓄電デバイスを合わせ約913億円の市場を形成すると予測される。


■大型応用分野(大型二次電池)の世界市場
 2015年構成比2025年予測構成比2015年比
合計2兆473億円100.0%8兆3,417億円100.0%4.1倍
次世代環境自動車分野1兆943億円53.5%6兆3,649億円76.3%5.8倍
電力貯蔵分野3,744億円18.3%1兆769億円12.9%2.9倍
動力分野5,786億円28.2%8,999億円10.8%155.5%
富士経済推定

2015年は次世代環境自動車分野が54%を占めている。同分野は今後も需要が増加し、2025年には75%以上を占め、大型二次電池の市場拡大をけん引するとみられる。電力貯蔵分野は2015年では最も規模が小さいが、今後は系統用電力貯蔵システムや住宅用蓄電システム向けなどが大きく伸びるとみられる。鉄道車両・LRVやフォークリフトなどの動力分野は2015年で28%を占めるが、他分野に比べると2025年までに予想される伸びはやや小さい。

1)次世代環境自動車分野
対象品目アイドリングストップ自動車/マイクロハイブリッド自動車(ISSV/マイクロHV)、ハイブリッド自動車(HV乗用車)、HVトラック・バス、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)、EVトラック・バス、燃料電池自動車(FCV)、マイクロ電気自動車(マイクロEV)

車両の燃費特性を向上させる目的で蓄電デバイスを搭載するため、高容量かつ軽量小型化が可能なリチウムイオン電池の搭載比率が高い。今後、大容量電池を搭載するEV、PHEV市場の拡大を受け、リチウムイオン電池比率はさらに上昇していく見通しである。

2)電力貯蔵分野
対象品目中・大容量UPS、無線基地局(携帯電話)バックアップ電源、住宅用蓄電システム、非住宅用電力貯蔵システム(需要家設置)、電力貯蔵システム(鉄道関連施設併設)、系統用電力貯蔵システム(系統設置・太陽光発電システム併設・風力発電システム併設)

UPSや無線基地局等のバックアップ電源用途を中心として鉛電池の採用率が高く、2015年時点では鉛電池比率が57%と過半を占めている。今後、入出力特性やサイクル特性が求められる住宅用や業務・産業用の電力貯蔵システムの市場拡大が予測されるため、リチウムイオン電池比率が高まると予測される。

3)動力分野
対象品目鉄道車両・LRV、フォークリフト、電動式自動二輪車

フォークリフトや電動式自動二輪車が二大用途となっており、現状ではイニシャルコストが低い鉛電池搭載率が高い。今後、リチウムイオン電池のコスト低下とともに、鉛電池と比較して電池交換コストが削減可能な点などが評価され、リチウムイオン電池の採用率が上昇していく見通しである。

参考文献:「エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2016
-エネルギーデバイス編-」
(2016年07月04日:富士経済)


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