カードソリューション/電子マネー関連ビジネスの市場 市場動向1

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ICカードは日常生活に浸透し、一般企業から家庭まで用途を問わず横断的な利用が進んでいる。これまでのICカードにおける「決済」は、クレジットカード、デビットカード、電子マネーといった媒体を活用したサービスが中心となって普及してきた。近年は、スマートデバイスを活用した「Apple Pay」や「LINE Pay」といった、新たな決済サービスが上市されたことにより、「キャッシュレス決済」の多様化が進展している。さらに、モバイル決済サービス、ウォレットサービスといった「Fintech(Finance×Technology)」の概念が具現化されたサービスが普及してきたことで、決済市場はキャッシュレス化に向けて益々加速していくことになる。

今後、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けてキャッシュレス決済のインフラ整備も急速に進むとみられ、インバウンド需要やマルチ決済化への対応、決済端末のIC対応義務化、マイナンバーカードの普及に伴う公的/民間サービスの展開などにより、さらなる市場の活性化が期待される。

今回は、国内のカードソリューション市場、認証ソリューション市場を解説する。


■カードソリューション(リアル/ネット決済)市場:国内市場
 2015年2025年予測2015年比
合計72兆4,021億円113兆9,645億円157.4%
磁気ストライプカード決済50兆7,920億円73兆4560億円143.8%
電子マネー決済5兆3,700億円7兆9,435億円147.9%
Pay-easy14兆8,000億円31兆4,000億円2.1倍
ポイントサービス1兆2,660億円1兆4,100億円111.4%
プリペイドカード決済1,741億円1,660億円95.3%
富士キメラ総研推定

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて政府主導でキャッシュレス決済を推進しており、大幅な伸びが予想される。訪日観光客やインバウンド需要に対応したインフラ整備が国内のキャッシュレス決済の追い風になるとみられる。市場規模は決済額である。

磁気ストライプカード決済は、加盟店の決済端末IC対応義務化による安心感で利用が増加することや、インバウンド需要の高まり、決済手段の多様化/浸透などにより、大きく伸びるとみられる。また、ブランドプリペイドカードの普及が進んでおり、クレジットカード以外の決済手段の利用が進むとみられる。

電子マネー決済は、1,000円前後の少額決済を中心に広まってきたが、近年は利用先の広がりやクレジットカード一体型の普及などにより1件当たりの決済単価が上昇している。今後は金融向けカードとの一体化で後払いするポストペイ型の市場も拡大が予想される。海外でも電子マネーは普及しており、訪日外国人の国内での利用促進のためのインフラ整備も進むとみられる。

Pay-easyは、マルチペイメントネットワーク推進協議会が運営するペイジー収納サービスである。当該サービスは公共料金等の支払いを、ATMやスマートデバイスから休日・夜間でも即時支払できる利便性と、収納機関・金融機関の事務処理が軽減するなど、導入メリットが高い。国庫金分野や地方公共団体分野では、今後も採用団体や利用用途の拡大が見込め、利用件数/金額は増加していく。

ポイントサービスは、堅調な需要が期待されるが大手事業者への集約が進むとみられる。プリペイドカード決済は、図書カードや磁気の交通乗車券などが含まれており、需要は一定あるいは減少傾向での推移が予測される。


■認証ソリューション市場:国内市場
 2015年2020年予測2015年比
合計692億円843億円121.8%
電子認証サービス120億円150億円125.0%
ワンタイムパスワード57億円65億円114.0%
デバイス認証ソリューション97億円131億円135.1%
ID管理ソリューション37億円44億円118.9%
勤怠管理システム106億円155億円146.2%
入退出管理システム275億円298億円108.4%
富士キメラ総研推定

電子認証サービスは、電子証明書を発行するために必要な認証局を第三者認証機関にアウトソーシングして、電子証明書を利用するサービスである。電子署名、暗号化、認証局などの技術によって提供される。当該市場にはSSLサーバー証明書、クライアント証明書、それ以外のコードサイニング証明書、文書署名用証明書、流通BMS証明書など各種の電子証明書、プライベート認証局アウトソーシングサービスが含まれるが、市場規模が大きいのはSSLサーバー証明書であり市場全体の半分強を占め、クライアント証明書が1/4程度を占めているとみられる。

ワンタイムパスワードは、一定時間だけ有効なパスワードを自動発行してユーザーのログイン認証を行う製品であり、一度利用すると無効になることからパスワードの流出や類推などの不正アクセスの被害を低減させるものである。

デバイス認証ソリューションは、認証カードと、指紋認証や静脈認証、顔認証などのバイオメトリクス製品、デバイス認証を管理/強化するソフトウェアであるデバイス認証ツール、USBトークンを対象とした。認証カードのセキュリティ強化を目的に、生体認証と組み合わせた2要素認証の取り組みが進んでいる。特にマイナンバーカードでは、パスワードと顔認証などのバイオメトリクスを採用するケースが急増している。複数要素認証の拡大や新製品の投入の増加などにより、今後も市場拡大が予想される。

ID管理ソリューションは、複数の社内業務システムで利用するIDの一元管理やIDの作成、変更、削除などのライフサイクルを管理する統合ID管理ツールであるソフトウェア製品を対象とした。数万IDといった大規模なID管理の必要性が高い大手企業や大学などでの導入から市場が拡大してきたが、それらの需要層への導入は一巡した傾向がみられる。しかし数千規模以下の需要層においては未導入企業も多く、新規での導入が増加する可能性もある。

勤怠管理システムは、パッケージ型(ライセンス費用)とクラウド型(初期費用や定期費用)を対象とした。政府主導で過重労働の撲滅や働き方改革、休暇取得の促進などの取り組みが強化されており、出勤状況や勤務時間、残業時間、有休取得などが管理できることから需要が増加している。中小規模事業者を中心に導入/運用が容易なクラウド型の利用が増えるが、中堅規模以上では勤務形態や就業規則に合わせたスクラッチ型も堅調な需要増加が予想される。加えて、クラウド型は海外拠点や海外出張時の勤怠管理ニーズへの対応が期待される。また、メンタルヘルス対策の強化も市場拡大の追い風になるとみられる。

入退室管理システムは、ICカードや生体認証装置を用いてオフィスビスや工場など施設への入退室制限を行うためのシステムを対象とした。認証にはICカードが利用されるケースが大半であることから、社員証をICカード化することでプリンターの出力管理、PCログオン、食堂の決済システム、駐車場のゲートシステム、企業内や学校内の診療所の電子カルテシステムなどと連携させているケースもある。テロ対策や各種の犯罪防止意識の高まりもあり堅調な需要が継続している。今後も2東京オリンピック開催関連やマイナンバー関連の需要が見込まれる。


参考文献:「2016 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧」
(2016年07月13日:富士キメラ総研)


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