プラスチックフィルム・シート市場 市場動向2

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近年は、ごみ袋・レジ袋や食品包装を含む容器・包装分野において大きな市場が形成されている。国内の容器・包装分野は、中長期的な人口減少により需要が停滞しているものの、賞味期限延長に基づくバリア性向上ニーズ、レンジアップ対応が可能な耐熱性・耐油性ニーズ、環境配慮イメージアップにつながるバイオプラスチックなど、最終製品の高付加価値訴求に伴う製品開発、素材代替が進んでいる。

また、エンプラ・スーパーエンプラフィルムの需要拡大をけん引してきたスマートフォンやタブレットなどの市場が成熟しつつあり、太陽電池やOLED、車載ディスプレイ、EV・HV、ウェアラブル機器など今後の成長が期待される新規用途における採用が注目される。

今回は、プラスッチックフィルムやシートの中で、今後注目される品目・採用用途を解説する。

■国内需要における今後注目される品目と採用用途
品目用途分野採用用途数量(t)2016年比
2016年見込2020年予測
A-PET・O-PETシート容器・包装光沢白色容器1,0005,0005倍
PEシュリンクフィルム容器・包装通販用包装8001,1501.4倍
PETフィルム
(包装用)
容器・包装飲料ボトル用ラベル6,9508,0001.2倍
バイオプラスチック容器・包装紙コップ
PAフィルムエネルギーLiB外装材1,8001,9001.1倍
PLAフィルム・シートエレクトロニクス圧電フィルム
※△:僅少 ―:不明富士キメラ総研推定

品目市場拡大の背景と要因
A-PET・O-PETシートリスパックは、これまで困難とされた純白に近い白色を実現したA-PETシートを新規開発し、同シートを使用した食品容器「Pure White」を製品化した。意匠性に優れたHIPS容器からの代替だけでなく、サンドイッチ容器など新たな需要開拓も期待される。
PEシュリンクフィルム通信販売の輸送時、商品を段ボールの台紙などに固定するフィルムとしてPEシュリンクフィルムが採用されており、今後大幅に需要が拡大していくとみられる。
PETフィルム(包装用)PETボトルなどのラベル向けにPET系シュリンクフィルムの需要が拡大している。PETは強度や収縮性に優れ、16μmや20μmなど薄膜品が上市されたことで他素材からの採用シフトが進んでいくとみられる。
バイオプラスチック凸版印刷は押出しラミネート法を用い、紙コップの内外面にバイオPEフィルムを使用することで、100%のバイオマス度を実現し、2015年1月から販売を行っている。テトラパックも同時期に、サトウキビ由来のLDPE(低密度PE)を使用した紙容器を販売している。今後の利用拡大が期待される。
PAフィルムLiB外装材では、ONY/アルミ/PPあるいはPET/ONY/アルミ/PPの構造で採用されている。同用途ではニッケルメッキ銅板やアルミ板などが使われているが、当該品は軽量かつ薄膜化しやすい。EVの生産台数の増加に伴い、今後大型LiB外装材として採用が期待される。
PLAフィルム・シート一般的に採用されているチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)の代替として注目されている。透明性、柔軟性に優れており、圧電効果も高いことから開発が進められている。

■世界需要における今後注目される品目と採用用途
品目用途分野採用用途数量(t)2016年比
2016年見込2020年予測
PETフィルム
(光学用)
エレクトロニクス偏光板保護フィルム2,4003,5001.5倍
LCPフィルムエレクトロニクスFCCL65931.4倍
PCフィルムエレクトロニクスOLED用
位相差フィルム
50841.7倍
PIフィルムエレクトロニクスOLED453006.7倍
PVBフィルム自動車遮音膜55,00075,0001.4倍
自動車HUD用膜3,0007,5002.5倍
PPSフィルム自動車自動車モーター
絶縁材
35551.6倍
富士キメラ総研推定

品目市場拡大の背景と要因
PETフィルム(光学用)東洋紡が2013年2月に上市した「コスモシャイン 超複屈折タイプ」が偏光板向けに採用されている。TACフィルムを代替しTV向けで販売量が伸長している。
LCPフィルム採用用途がスマートフォンだけではなく、ヘルスケア機器などにも拡大することで、LCP基材のFPCの裾野が広がることが見込まれる。
PCフィルムOLED需要拡大の中で、当該品はSamsung Electronicsの製品に継続的に採用されている。
PIフィルムOLEDディスプレイの本格的な市場の立ち上がりに伴い、OLED向けの需要も大きく拡大していくことが期待される。
PVBフィルム遮音ニーズは高く、採用が加速している。特に北米や日本における採用率が高いと推測される。フロントガラスだけでなく、サイドガラスにも広がっている。
HUDは、フロントガラスに速度や注意喚起などを表示させるシステムであり、特殊な中間膜が採用される。BMWやAudiなどの海外自動車メーカーが先行したが、近年マツダやトヨタ自動車などもHUDを積極的に採用している。2015年に発売された「PRIUS」のA以上のグレードではHUDが標準搭載されるなど、国内外で採用増加が見込まれる。
PPSフィルム自動車モーター用絶縁材用途は現在サンプルワークが進んでおり、今後、EV・HVの普及による採用の拡大が期待されている。

参考文献:「2016年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」
(2016年07月27日:富士キメラ総研)


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