ディスプレイデバイス・タッチパネルの世界市場 市場動向1

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ディスプレイデバイスの主力であるTV市場は、50in以上のパネルでコモディティ化が進んでおり、HDR対応や広色域対応、曲面対応による差別化が開発のポイントとなっている。スマートフォン市場では「iPhone」におけるAMOLED採用が計画されておりAMOLEDのさらなる市場拡大が期待されるほか、次のイノベーションにつながるキーデバイスとしてフレキシブル・フォルダブルAMOLEDの開発が加速している。

また、車載分野ではADAS(Advanced Driving Assistant System)、IVI(In Vehicle Infotainment)システムなど先進電装技術の採用拡大に伴い、TFT LCDの需要は今後も継続的に拡大する見通しである。新規用途としてはHMD・スマートグラスが脚光を浴びている。ソニーの「PlayStation VR」などVR機能を搭載したディスプレイが市場拡大の起爆剤になると期待されている。

タッチパネルでは「薄型化」「軽量化」に有利かつサプライチェーンを簡素化できるオンセル・インセルの採用が拡大しており、アウトセルタッチパネルメーカーは苦戦を強いられているが、フレキシブルディスプレイへの対応などで対抗している。

今回は、LCD、OLEDディスプレイ、電子ペーパー、タッチパネルの世界市場を解説する。


■ディスプレイデバイス・タッチパネルの世界市場
 2016年見込2021年予測2016年比
合計13兆1,185億円14兆5,659億円111.0%
LCD9兆4,711億円8兆4,961億円89.7%
OLEDディスプレイ1兆6,232億円3兆9,648億円244.3%
電子ペーパー588億円704億円119.9%
タッチパネル1兆9,654億円2兆345億円103.5%
※金額はモジュールベースで算出
富士キメラ総研推定

ディスプレイデバイスはOLEDの成長が期待される。今後の成長をけん引する用途はスマートフォン、スマートウォッチ・ヘルスケアバンド、HMD・スマートグラス、車載ディスプレイ、パブリック・サイネージモニターなどである。これまでディスプレイデバイス市場の拡大を支えてきたTVやスマートフォンはセット需要の飽和によって緩やかな成長にシフトするとみられる。今後、スマートフォン、スマートウォッチ、HMD向けにOLEDが採用され、市場拡大が予想される。タッチパネルは、車載ディスプレイ向けで今後の市場拡大が見込まれる。


■LCDの世界市場
 2016年見込2021年予測2016年比
LCD合計9兆4,711億円8兆4,961億円89.7%
大型TFT数量7億7,889万枚7億3,452万枚94.3%
金額6兆8,213億円5兆8,833億円86.2%
中小型TFT数量18億4,761万枚16億1,005万枚87.1%
金額2兆5,610億円2兆5,449億円99.4%
その他>(STN、TN・VA)888億円679億円76.5%
富士キメラ総研推定

<大型TFT:TV、IT(PCモニター、ノートPC、タブレット)、パブリック・サイネージモニター向けのTFTを対象>
2015年はPCモニター、ノートPC、タブレット端末向けの出荷が低迷し、市場は数量ベースで前年比縮小となったが、金額ベースでは円安の影響で拡大となった。

2016年はTV向けがセット需要の頭打ちと、2015年後半に実需を上回る数量が出荷された反動で、出荷数量が減少に転じる。PCモニターやノートPC向け出荷数量も引き続き減少するほか、タブレット端末向けはスマートフォンの大型化に起因するセット需要の減少が進行しており、大幅な減少となる。従って、市場は数量ベースで前年比縮小、金額ベースではTV向けの大型サイズや4Kパネルの低価格化に加えて円高の影響もあり、さらに大きな縮小が見込まれる。

2017年以降、TV向け出荷数量は微増するが、PCモニター向け、ノートPC向けは微減、タブレット端末向けも漸減する。パブリックモニター向けは好調が続くが、今後大型TFT全体として市場は数量、金額ベースともに縮小が続くと予想される。

<中小型TFT:上記大型TFT以外を対象。アミューズメント機器、産業機器等>
フィーチャーフォン、DSC、MP3プレーヤー向けなどが減少する中、ここ数年はスマートフォン向けが市場拡大をけん引してきた。しかし、2015年は在庫増大による生産調整のほか、AMOLEDの採用拡大の影響もあり、スマートフォン向けの出荷数量は低調な伸びにとどまった。その結果、他用途向けのマイナスを補うことができず、市場は数量ベースで縮小となった。

2016年はセット需要が低迷しているほか、AMOLED採用の勢いが増しており、スマートフォン向けの出荷数量は減少に転じる。車載ディスプレイ向け、スマートウォッチ向けの出荷は好調が続いているが、市場は引き続き前年割れが見込まれる。

今後は車載ディスプレイ向けで安定した出荷拡大が続くが、スマートフォン向けは横ばい、他用途向けの多くは減少し、中小型TFT市場は数量、金額ベースともに縮小が続くとみられる。

<その他:STN、TN・VA>
STNは、車載用センターディスプレイやプリンター用のモニターに利用されている。近年は、TFTへの切り替えが継続しており、出荷数量は減少傾向にある。

TN・VAは、時計、電卓、ヘルスケア機器に搭載され底堅い需要がある。TN・VAは、黒の表示を重視したアプリケーションの画面デザインの関係で、STNより他デバイスとのすみ分けがされている。2016年以降、TN・VA市場はおおむね横ばいで推移していく見通しである。

今後もSTN出荷数量の減少は継続するがTN・VAの出荷数量がSTNの減少分を穴埋めし、TN・VA・STN市場全体の出荷数量は横ばいになる。今後、出荷金額は単価が高いSTN市場の減少、TN・VAの低価格化から、全体の出荷金額も減少が続く見通しである。


参考文献:「2016 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)」
(2016年08月12日:富士キメラ総研)


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