エンプラ・機能性樹脂の世界市場 市場動向1

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近年は、汎用エンプラを中心に市場の牽引役であった中国市場が経済低迷とともにかつての勢いを失っており、相対的にベトナムやインド、メキシコ等の新興国への注目度が高まっている。また、汎用エンプラでは中国資本企業を中心に新増設が行われたことで製品価格が急速に下落し、古参企業はエンプラ事業の改革を進めている。事業改革の一つとしてスーパーエンプラへの参入する企業も見られ、エンプラ市場を取り巻く環境は大きく変化している。


■汎用エンプラ・スーパーエンプラ・機能性樹脂の世界市場(33品目)
 2015年2020年予測2015年比
合計1,024.7万t1,181万t115.3%
汎用エンプラ890.1万t1,027.3万t115.4%
スーパーエンプラ60.2万t71.3万t118.4%
機能性樹脂74.4万t82.5万t110.9%
富士経済推定


汎用エンプラ需要は、中国経済成長の伸びが鈍化する中で、堅調に推移している。近年は自動車やエレクトロニクス分野以外の用途にも広く用いられることが多くなっている。そのため、先進国での需要は飽和しているが、経済成長率の高い新興国では今後も需要拡大が予測される。

スーパーエンプラは、耐熱性等を生かした自動車やエレクトロニクス分野で広く採用されている。自動車の軽量化や電装化、HEV、EVの普及により自動車用途で耐熱性や電気特性などにより採用が拡大している。自動車生産は増加傾向であり、さらに軽量化や電装化が進められるため、今後もスーパーエンプラ需要は堅調に増加傾向にある。

機能性樹脂は、新興国需要や自動車、エレクトロニクス分野の生産拡大に伴い、販売数量は堅調に推移している。耐熱ABSは自動車用途、透明ABSは雑貨・一般機器用途での需要が増加している。


■2015年の用途別世界市場(33品目)
 汎用エンプラスーパーエンプラ機能性樹脂合計
合計890.1万t100%60.2万t100%74.4万t100%1,024.7万t100%
自動車271.0万t
(83.6)
30.418.9万t
(5.8)
31.434.3万t
(10.6)
46.2324.2万t
(100%)
31.6
エレクトロニクス208.8万t
(83.1)
23.519.0万t
(7.5)
31.523.6万t
(9.4)
31.7251.4万t
(100%)
24.5
その他410.2万t
(91.4)
46.122.3万t
(5.0)
37.116.5万t
(3.6)
22.1449.0万t
(100%)
43.9
富士経済推定

①自動車分野
現在はガソリンやディーゼル等のエンジン車が主流であり、今後も新興国を中心とした需要拡大が見込まれる。HEVに代表される環境対応車は、先進国や中国の燃費・環境規制強化の動きとともに、着実に普及していくと予測される。2020年には、2015年比で2倍以上の生産台数となる500万台に達すると見られる。

○用途別主要採用樹脂
用途汎用エンプラスーパーエンプラ備考
外装部品グレージングPC ガラス代替
ヘッドランプレンズPC 一部ABSと競合
ドアミラーステイPA6PAMXD6
内装部品メーター類PC PMMAと競合
インストルメントパネルPC/ABS PPやABS等と競合
シートベルト部品POM
電装部品ハーネスコネクタPBT、SPS、PPA 部位に応じて使い分け
ECUケースPBT、SPSPPS部位に応じて使い分け
機構部品インテークマニホールドPA6 アルミからの代替
エンジンカバーPA6、PA66、GF-PET 
ギアPA66、PA46PEEKCF強化品。金属代替
燃料系部品燃料チューブ PA11・PA12、溶融フッ素樹脂金属代替
燃料ポンプモジュールPOM 
冷却系部品ラジエータタンク PA610


②エレクトロニクス分野(スマートフォン、タブレット、液晶テレビ、パソコン)
現在は、先進国でのスマートフォンの需要は頭打ちにあり、新興国での需要が市場を牽引している。2018年頃には新興国でもスマートフォンが普及し終え、低成長に移行すると見られる。タブレットはスマートフォンの画面サイズの拡大に伴い利点が薄れつつあり、生産台数は減少している。また、液晶テレビ、パソコンも市場が成熟しつつあり、今後、生産台数は横ばいで推移していく見通しである。

○用途別主要採用樹脂
用途汎用エンプラスーパーエンプラ備考
筐体PC/ABS PS、ABSと競合
小型部品コネクタ、スイッチPBT、PA66、SPSPPS用途で使い分け
SMT部品PPALCP、PA46用途で使い分け
液晶パネル導光板PC 携帯情報端末用ではPMMAを代替
カメラレンズPC 
レンズホルダPCPPS、PAR
LEDリフレクタPPAPCT出力で使い分け
ハウジングPCPPS熱伝導グレード


<対象品目>
汎用エンプラ(9品目)
1.ポリカーボネート(PC)
2.変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
3.ポリアミド.(PA6)
4.ポリアミド6.(PA66)
5.ポリアセタール(POM)
6.ポリブチレンテレフタレート(PBT)
7.ガラス繊維強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
8.超高分子量ポリエチレン(U-PE)
9.シンジオタクチックポリスチレン(SPS)
スーパーエンプラ(18品目)
10.ポリアミド11・ポリアミド1.(PA11・PA12)
11.ポリアミド46(PA46)
12.ポリアミド6.(PA6T)
13.ポリアミド9.(PA9T)
14.ポリアミドMXD6(PAMXD6)
15.ポリフェニレンサルファイド(PPS.
16.液晶ポリマー(LCP)
17.ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)
18.ポリアリレート(PAR)
19.ポリサルホン・ポリフェニルサルホン(PSF・PPSF)
20.ポリエーテルサルホン(PES)
21.ポリエーテルイミド(PEI)
22.ポリアミドイミド(PAI)
23.熱可塑性ポリイミド(TPI)
24.ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
25.ポリベンゾイミダゾール(PBI)
26.ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
27.溶融フッ素樹脂
機能性樹脂(6品目)
28.耐熱アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(耐熱ABS)
29.透明アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(透明ABS)
30.環状ポリオレフィン(COP・COC)
31.ポリメチルペンテン(PMP)
32.ポリエチレンナフタレート(PEN)
33.ポリグリコール酸(PGA)


参考文献:「2017年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略」
(2016年10月03日:富士経済)


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