高機能分離膜・フィルター市場 市場動向1

マーケット情報TOP
膜分離技術は、液体または気体に対し、選択性を持つ隔壁(膜)に通すことで、目的物を濾し分ける操作の総称である。その利用範囲は多岐に亘っており、各種産業の製造プロセスから、マスクやコーヒーフィルターなど私たちの身近な製品にまで分離技術は広く浸透している。

高機能分離膜・フィルターは世界的な水資源問題の解決、大気・水環境の汚染防止、地球温暖化防止対策手段として市場が拡大しているとともに、近年はエネルギー開発や資源回収、生産効率向上の手段として更なる成長が期待されている。

今回は、高機能分離膜・フィルターにおける水環境分野、大気・空質分野、エネルギー分野、ライフサイエンス分野、輸送機器分野、工業プロセス用分野の市場を解説する。


■膜・フィルター市場(国内市場+日系企業の海外売上)
 2015年度2020年度予測2015年比対象品目
合計5,220億円5,819億円111.5%
水環境1,852億円2,354億円127.1%・水処理膜・焼結金属フィルター※2
・脱気膜・炭化水素系イオン交換膜
・活性炭フィルター
・液体ろ過用カートリッジフィルター
大気・空質619億円588億円95.0%・エアフィルター
・ケミカルフィルター
・キャビンエアフィルター※1
・バグフィルター用ろ布
エネルギー191億円217億円113.7%・フッ素系イオン交換膜
・アルコール脱水膜
ライフサイエンス620億円722億円116.5%・食品・医薬プロセス用膜
・透析膜(ダイアライザー)※1
輸送機器1,772億円1,759億円99.3%・燃料(フューエル)フィルター※1
・オイルフィルター※1
・DPF
工業プロセス用166億円179億円111.4%・ガスフィルター※2
・膜式エアドライヤー※1
・サイクロンフィルター
・酸素・窒素富化膜
※1キャビンエアフィルター、透析膜(ダイアライザー)、オイルフィルター、燃料(フューエル)フィルター、膜式エアドライヤーは国内市場を算出している。
※2「焼結金属フィルター」と「ガスフィルター」の市場規模は一部重複している。
富士経済推定

 市場概要
水環境・水処理膜市場は、中国の環境規制強化や新興国におけるインフラ開発・工業化の進展によって海水・かん水淡水化および処理、下水処理、浄水場、一般産業用の水処理膜の需要が増加している。
・バイオ医薬品市場の成長に伴って医療分野に適した液体ろ過用カートリッジフィルター市場が成長傾向にある。
大気・空質・大気・空質分野向けのフィルター市場は、安価な海外製品の普及が進んだことから価格競争が激化している。参入メーカーは高機能製品の市場投入によって付加価値を提供することで他社との差別化を図っていく。
・HEPA/ULPAフィルターは再生医療などの医療の高度化が市場成長を牽引すると見込まれる。
エネルギー・フッ素系イオン交換膜市場は、食塩電解向けはイオン交換膜法への置き換え需要を獲得しており、燃料電池向けは燃料電池車の普及による需要の大幅な増加が期待される。
・アルコール脱水膜は使用用途の多様化によって需要が増加しており、今後は中国や東南アジアでのハバイオメタノール製造プラントの新規案件の増加に伴う市場成長が見込まれる。
ライフサイエンス・食品・医薬プロセス用膜は既存用途の需要が飽和状態に達しつつあり、今後は機能性素材分野、サプリメントなどのヘルスケア分野、酵素分野向けでの展開が注目されている。
・透析膜(ダイアライザー)は慢性透析患者の増加に伴い需要は増加しており、HDFが市場成長を牽引している。
輸送機器・日本では人口減少と高齢化に伴うドライバーの減少によって自動車市場が縮小していく。燃料(フューエル)フィルターおよびオイルフィルター市場も縮小するとみられる。
・DPFは世界的な自動車排気ガス規制の強化によって市場は拡大する見込みであるが、将来的にはゼロエミッション車の販売のみに制限されることも予想されるため、市場は縮小すると推測される。
工業プロセス用・当該市場は、原油価格や半導体設備投資の動きに左右される分野であり、参入メーカーは自社製品の新規用途での採用や、膜モジュールを用いるアプリケーション装置の開発など、新たな需要形成に向けた取り組みを行っている。
参考文献:「高機能分離膜/フィルター関連技術・市場の全貌と将来予測 2016」
(2016年11月15日:富士経済)


メディカルソリューション、人工知能など注目業界特集


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ