自動車用電装システムの世界市場 市場動向1

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現在の自動車産業は、「自動運転」「デジタルコックピット」「自動車IoT」など、クルマの姿が一変する技術開発が活発化し、そのイントロダクションとなる技術が実用車に搭載され始めている。特に「自動運転」への第一ステップとなる「自動ブレーキ」は、以前は高価格で高級車向けのシステムであったが、システム構成の見直しや低価格デバイスの採用などで小型車への搭載が可能なシステムとなった。

また、先般、国際連合欧州経済委員会が定める後写鏡に関する規則「Regulation No.46」の改訂が完了し、電子ミラーの搭載が認められるようになった。それに伴い従来のドアミラーとバックミラーが車載カメラに置き換わりクルマのデザインや運転方法に大変革が起こる可能性も出てきた。

このような状況の中で今回は、自動車の分野別電装システム市場と各構成システムの中で注目される製品を個別に解説する。


■自動車用電装システムの世界市場予測
 2015年中期予測
2020年
2015年比長期予測
2025年
2015年比
合計15兆7,624億円22兆2,484億円141.1%30兆2,072億円191.6%
パワートレイン系6兆8,592億円8兆3,077億円121.1%9兆7,769億円142.5%
HV/PHV/EV/FCV系1兆724億円2兆7,876億円2.6倍5兆7,983億円5.4倍
走行安全系3兆8,767億円5兆7,243億円147.7%7兆5,430億円194.6%
ボディ系2兆2,538億円2兆5,367億円112.6%2兆7,970億円124.1%
情報通信系1兆7,003億円2兆8,921億円170.1%4兆2,920億円2.5倍
富士キメラ総研推定

パワートレイン系システム
パワートレイン系システムは燃費向上と排ガス規制の強化を背景にさまざまな対策が実施されていく。

燃費向上の観点からはエンジンの熱効率を向上させる開発が行われ、電子制御システムや電動システムの搭載が進み、小型モーターやセンサーの採用が増えていくとみられる。一方、燃費向上の観点からはアイドリングストップ/回生システムが有効と考えられ、専用の補助電源の搭載やモータージェネレーターの搭載が進んでいくとみられる。

HV/PHV/EV/FCV系システム
HV/PHV/EV/FCV系システムは、排ガス規制対策の手段となるモーターを軸とした駆動システムである。

エンジンマネジメントシステムにはない新規のデバイスや機器が搭載される。モーター駆動で走行できる航続距離の長さが普及のための条件である。そのため、二次電池の大容量化やインバーターの高効率化などの対策が行われている。今後、二次電池としてリチウムイオン二次電池の採用が増加していくとみられるため、電流異常を監視するデバイスの搭載が増加していく。また、高出力インバーターの搭載によってパワーデバイスの搭載が増加し、冷却装置の搭載が進むとみられる。その際温度管理が重要となり温度センサーの需要が高まっていくとみられる。

走行安全系システム
走行安全系システムでは、車両の状態を把握する必要があるため、加速度センサー、角速度センサーなどの慣性センサーが搭載される。

ADASの代表的なシステムである緊急ブレーキシステムの搭載が急速に進んでいる。これは障害物を検知するセンサーに車載カメラなどの低価格な製品を使うことにより、簡易構造でしかも精度が高いシステムの構築が可能となった。一方で、自動運転システムに向けた自動操舵や自動ブレーキ制御の開発が進められている。これらを実現するには車周辺を確実に検知する必要があることから多種多様のセンサーを使用することが必須となっていくとみられる。

ボディ系システム
ボディ系システムでは、従来の手動操作からスイッチによる電動制御化に置き換わっていく。そのため小型モーターによる制御数が増加していく。

スイッチによる電動化から今後は自動制御が進んでくると推定されるため、小型モーターに加えてセンサーの需要も増えていく。電動化によって緻密な制御化可能となるため、システムのインテリジェント化が進んでいくと考えられる。インテリジェント化が進むことによって、ボディECUでの制御に負担がかかるため独立のECUで制御するようになり、搭載場所確保の観点から独立ECUと小型モーターの一体化が進むものとみられる。

快適性の追求によって制御の電動化や自動化が進むが、ドライバーがストレスフリーで運転できる環境として、さまざまな情報をリアルタイムで知ることがテーマとなっていく。このため、情報を表示する液晶ディスプレイやリアルタイムな情報を得るための通信モジュールなども増加していく。

情報通信系システム
情報系システムでは、近年ドライバーが運転する際の情報量が増加してきており、それらをドライバーに的確に知らせる必要があるため、その手段としてTFTディスプレイを利用した情報表示が増加している。

ディスプレイは情報を表示するだけでなく、運転中に支障をきたさないような情報提供や運転シーンに合わせた最適な表示をする工夫が必要となり、情報を引き出すための操作系デバイスやさまざまなディスプレイの搭載が進んでいくとみられる。

車内だけの情報だけでなく外部の情報をドライバーに知らせる必要性も増してくるため、路車/車車間通信システムの搭載が進み通信モジュールの需要も高まっていく。


■調査対象品目(20品目)
パワートレイン系エンジンマネジメントシステム、アイドリングストップ/回生システム、変速制御システム
HV/PHV/EV/FCV系HV/PHVシステム、EV/FCVシステム
走行安全系ブレーキ制御システム、ステアリング制御システム、ADAS・自動運転システム、エアバッグシステム、タイヤ空気圧警報システム、ドライバーモニタリングシステム
ボディ系ボディ統合制御システム、エアコンシステム、ヘッドランプシステム、電子キーシステム
情報通信系車載メーターシステム、IVIシステム、HUD、車外通信システム(路車/車車間通信・eCall)、車内ネットワークシステム
富士キメラ総研推定

参考文献:車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017
(上巻:システム/デバイス編)
(2017年01月05日:富士キメラ総研)


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