炭素繊維複合材料の世界市場 市場動向2

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今回は、炭素繊維複合材料の注目キーマテリアルの世界市場を解説する。

■PAN系炭素繊維の世界市場規模予測
 2015年実績2020年予測2030年予測2030/2015
合計1,669億円2,453億円5,756億円3.4倍
CFRP用途1,558億円2,327億円4,984億円3.2倍
CFRTP用途111億円126億円772億円7.0倍
富士経済推定

CFRP用途は、マトリクス樹脂との複合材料における炭素繊維の含有量が用途平均で約54%前後となっているが、CFRTPでは炭素繊維が短繊維に加工されフィラーとして採用される市場が大半であることから用途平均の炭素繊維含有率は19%前後である。

現状は航空機や風力発電等のCFRP向けで採用される炭素繊維採用比率が94%程度を占めており、今後も2020年前後まではCFRP向けの比率が上昇していく見通しである。2025年から2030年にかけては自動車用途でCFRTPの市場が拡大すると予測されることから、2030年にはCFRTP向けの炭素繊維の比率が23%前後まで拡大すると予測される。しかし自動車業界は価格要求レベルが高いため、金額ベースにおけるCFRTP向け比率の上昇は限定的と予測される。


■マトリクス樹脂の世界市場規模予測
 2015年実績2020年予測2030年予測2030/2015
合計374億円571億円1,350億円3.6倍
CFRP用途261億円431億円784億円3.0倍
CFRTP用途113億円140億円566億円5.0倍

中間基材は、炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと熱可塑性樹脂を含浸させたペレット/ラミネートに大別される。プリプレグは、連続繊維を使用した加工品が中心である。ラミネートは連続繊維加工品、ペレットは非連続繊維の加工品である。ペレットは、連続繊維を一定の長さで切断し炭素繊維に樹脂を被覆させた長繊維ペレットと、樹脂に短繊維をコンパウンドさせた短繊維ペレットがある。

現状は、航空機やスポーツ向け等を中心としたプリプレグの需要によりCFRP向けの市場比率が高いが、今後CFRTP向けでの市場が拡大していく見通しである。2025年前後にかけて、自動車用熱可塑ラミネートの需要拡大が想定され、数量ベースにおいてCFRTPが44%前後まで上昇すると想定される。しかし、金額ベースにおいては、CFRPプリプレグと比較し、CFRTPラミネート単価は安価となると想定される。


■端材・廃材利用CFRP/CFRTPの世界市場規模予測
 2015年実績2020年予測2030年予測2030/2015
端材利用CFRP/CFRTP71億円122億円996億円14.0倍
富士経済推定

上記は、CFRPに使用される中間基材や成形加工時に発生する端材を活用したリサイクル炭素繊維の市場推移である。現状では、CFRPの各種加工工程で発生した端材利用のCFRP/CFRTP市場が大半を占めている。2020年以降から自動車用途においてCFRP/CFRTPの採用が拡大すると予測され、各工程で発生する端材を利用したCFRP市場も拡大していく見通しである。

廃材利用のCFRP/CFRTPの市場は、炭素繊維とマトリクス樹脂の分解コストが課題となっており、現状では研究開発段階であり、市場規模は限定的である。今後2025年前後にかけて、特に自動車や航空機用途において、CFRPの廃材が大量に発生する時期を迎えるため、CFRP廃材のリサイクル技術の確立を目的とした研究開発プロジェクトが世界各国で展開されている。


参考文献:炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望 2017
(2017年01月13日:富士経済)


注目業界の市場動向・将来展望


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