機能性高分子フィルムの世界市場 市場動向1

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機能性高分子フィルムは、ベースとなるプラスチックフィルムに、コーティングや蒸着などの表面処理やラミネートのような多層化加工、またはフィラーの添加やハイブリッド化などにより機能を付与したフィルムであり、エレクトロニクス、自動車、エネルギー、ライフサイエンス、包装などの分野で幅広く利用されている。

機能性高分子フィルム市場は、海外・国内ともに緩やかな拡大傾向にある。製品単価の下落やスマートフォンなどの最終製品の伸び悩みといったマイナス要素がある一方で、中国を中心とした新興国での需要拡大、車載電装化やHV・EVの普及などの影響が多くの市場に波及し、成長要因となっている。また、ウェアラブル機器市場の立ち上がりやIoT活用の拡大も市場の成長に寄与している。

今回は、機能性高分子フィルム利用分野ごとの市場動向と注目品目を解説する。


■機能性高分子フィルムの世界市場規模推移
 2015年2016年見込2020年予測2015年比
合計3兆2,450億円2兆9,811億円3兆1,479億円97.0%
ディスプレイ1兆9,609億円1兆7,441億円1兆7,198億円87.7%
半導体・実装4,327億円3,929億円4,071億円94.1%
工業・自動車3,039億円2,939億円3,325億円109.4%
エネルギー5,004億円5,035億円6,368億円127.3%
バリアフィルム471億円467億円517億円124.0%
富士キメラ総研推定

成長分野エネルギー太陽電池およびLiBの市場拡大に伴い市場が増加している。今後車載向けの大型LiB関連の市場拡大が期待される。
自動車世界的な自動車の販売台数増加、特にHV・EV販売の大幅な拡大によって機能フィルムとしての市場も拡大している。
バリアフィルム食品包装向けなど透明蒸着フィルムの需要拡大をはじめとして各フィルムで堅調に推移している。
成熟分野ディスプレイLCDパネル面積の拡大によって販売量は拡大するが、製品単価の下落により、金額ベースではほぼ横ばいか縮小が予想される。
半導体・実装車載向けやIoT関連向けの需要が各品目の成長性を下支えしている。

■ディスプレイ分野(14品目)
 2015年構成比2020年予測構成比2015年比
ディスプレイ分野合計1兆9,609億円100%1兆7,198億円100%87.7%
偏光板9,488億円48.4%8,362億円48.6%88.1%
輝度向上フィルム3,410億円17.4%3,127億円18.2%91.7%
偏光板保護フィルム1,978億円10.1%1,382億円8.0%69.9%
プロテクトフィルム937億円4.8%977億円5.7%104.3%
表面処理フィルム848億円4.3%754億円4.4%88.9%
透明導電性フィルム856億円4.4%697億円4.1%81.4%
富士キメラ総研推定

ディスプレイ分野は、LCDパネル用部材が市場をけん引している。偏光板は、LCDパネル市場に連動して推移している。2015年は3億8千万㎡の規模であった。TV画面サイズの大型化により面積ベースの拡大が続いている。金額ベースでは、スマートフォン向け需要の停滞により、価格低下が著しく年率5%以上の低下がここ数年続いている。今後金額ベースでの成長は難しいと見られる。輝度向上フィルム、偏光板保護フィルム、表面処理フィルムは、偏光板関連フィルムとして同様な市場推移を形成していく。


■半導体・実装分野(14品目)
 2015年構成比2020年予測構成比2015年比
半導体・実装分野合計4,327億円100%4,071億円100%94.1%
ドライフィルムレスト1,232億円28.5%1,202億円29.5%97.6%
フレキシブル銅張積層板649億円15.0%691億円17.0%106.5%
カバーレイフィルム589億円13.6%585億円14.4%99.3%
異方導電性フィルム(ACF)11.0%389億円9.6%81.4%
ぺリクル221億円5.1%236億円5.8%106.8%
層間絶縁フィルム
(アディティブ基板用)
207億円4.8%189億円4.6%91.3%
富士キメラ総研推定

半導体・実装分野は、ウェイトの高いドライフィルムレジストやフレキシブル銅張積層板、カバーレイフィルムはスマートフォン市場の伸び悩みによって現在は縮小および横ばいの市場である。今後も厳しい状況にある。当該分野は、スマートフォン市場の成長性鈍化による影響で需要が鈍化する一方で、車載向けやIoT関連では需要が拡大していくと予測される。市場拡大が見込めるぺリクルは、半導体デバイスやLCDパネルのリソグラフィ工程で用いられるフォトマスク用防塵フィルムである。ぺリクルは、IoT関連デバイスの需要が増加し、半導体の微細化によってKrFからArFへのシフトが起きていることに加えて、最先端のICではArFを用いてマルチパターンニングする。通常のICよりも大量のマスクを使用するため、ArF向けの需要は2桁成長で拡大していくことが予測される。


■調査対象品目
調査対象対象品目
A.ディスプレイ
(14品目)
偏光板、偏光板保護フィルム、表面処理フィルム、拡散シート、輝度向上フィルム、反射シート、QDシート、透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、カバーシート、OCA・OCR、プロテクトフィルム、FPD用離型フィルム、フレキシブルフィルム基板
B.半導体・実装
(14品目)
ペリクル、バックグラインドテープ、ダイシングテープ、ダイボンドフィルム、フィルム状封止材、半導体封止用離型フィルム、非導電性接着フィルム(NCF)、異方導電性フィルム(ACF)、フレキシブル銅張積層板、カバーレイフィルム、FPC用離型フィルム、層間絶縁フィルム(アディティブ基板用)、ドライフィルムレジスト、フィルム状ソルダーレジスト
C.工業・自動車
(8品目)
フィルムコンデンサー用フィルム、MLCC用離型フィルム、モーター用絶縁フィルム、自動車用ウィンドウフィルム、加飾・転写フィルム、CFRP用離型フィルム、CFRTPシート・テープ、ホットメルトフィルム
D.エネルギー
(6品目)
太陽電池用封止フィルム、太陽電池用バックシート、燃料電池用耐熱フィルム、LiB用セパレーター、LiB用ラミネートフィルム、圧電フィルム
E.バリアフィルム
(5品目)
透明蒸着フィルム、ONY系共押出フィルム、EVOH系共押出OPPフィルム、PVAコートOPPフィルム、その他バリアフィルム
参考文献:2017年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望
(2017年01月18日:富士キメラ総研)


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